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テーマ:読書(8615)
カテゴリ:読書
図書館にてフランス文学のコーナーを見ていてルイ・エモンを発見。 大学で仏蘭西文学科(フランスブンカガッカ)だったことでフランス文学、小説を読むようになった。本屋で手に取った文庫「白き処女地」。その題名に惹かれて読んだところ、カナダのフランス語圏の山間の村で年頃のマリア・シャプドレーヌという名の女性の結婚にまつわる話であった。年齢が近いこともあってか、異常に気に入り、作家ルイ・エモンについて調べ、他の作品も読みたいと思ったけれど、彼は若くして交通事故に遭い亡くなっていた。いくつかの作品はあったようだけれど、「白き処女地」以外は見当たらなかった。「白き処女地」の原題はマリア・シャプドレーヌ(Maria Chapdelaine)、主人公である女性の名前である。そもそも「白き処女地」はジャン・ギャバン主演の映画「白き処女地」として存在を知っていて、その原作本が読めるということで買い求めた。映画「白き処女地」を見ることなんてできなかったから。後年、2015.12.26に配信にて「白き処女地」を見たけれど、薄暗い映像に心は踊らなかった。 Wikipediaを見ると三回映画化されている。 ”「1934年には、『白き処女地 (映画)(フランス語版)』としてフランスの映画監督ジュリアン・デュヴィヴィエによって映画化され、主人公のマリアを同国の女優マドレーヌ・ルノーが演じた[6]。他、1950年にはミシェル・モルガン主演でフランスの映画監督マルク・アルグレ(英語版)によって、1983年にはキャロル・ロール主演でカナダの映画監督ジル・カール(英語版)によって同名のタイトルで映画化されている。”(Wikipediaより) Amazon prime video[白き処女地] さて、「五つの小さな物語-フランス短編集」についてである。 この本は五つの短編からなる。 厳密にいうと五つ目の「パタシュ」は”一人の子供を描いた四十以上もの小話(ショウワ)(それぞれに題名がついています)から成る作品です。”(あとがきより) ミリアーヌ姫 アンドレ・リシュタンベルジェ作/堀内知子 訳 風の返事 ルネ・バサン作/森孝子 訳 ウィンスロップ=スミス嬢の運命 ルイ・エモン作/斎藤瑞恵 訳 金色の目のマルセル アナトール・フランス作/山田佳志子 訳 パタッシュ トリスタン・ドレーム作/森田英子 訳 挿絵 ひらやま なみ 短編を読み終え、あとがきを読んだ時に衝撃が走った。 《フランス文学原書講読会》という輪読会を始めて二十二年が過ぎ、できるだけ日本語訳がない作品を選んだということである。あとがきを書いておられるのが主催と思しき森孝子さん。訳者紹介の文に”関西大学大学院文学研究科修士課程修了(フランス文学専攻)教員生活の傍ら、1988年施設《あやこの図書館》開設。”(訳者紹介より) とあった。 この方は、大学時代にフランス文学を習った森先生ではないだろうか? きっと、そうだ! 確かめるすべはないけれど、ほぼ間違いなく同一人物だと思われる。 望郷のかなたの作家ルイ・エモンの作品を見つけ、恩師の訳本を見つけた。 短編の内容はその驚愕したことに消し飛んでしまって感想を述べることはできないけれど、とても嬉しくとても衝撃的であった。 五つの小さな物語 フランス短篇集 [ あやこの図書館 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.25 16:52:01
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