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テーマ:読書(8618)
カテゴリ:読書
もう30年くらい前だろうか。 ホテルニューオータニのレストランだったか、岡田茉莉子を見かけた。 遠目にも彼女とわかる大きく輝いた瞳だった。同席していたのは夫の吉田喜重らしい。お恥ずかしい話、映画ファンでありながら吉田喜重監督の顔を知らなかった。そんな思い出が沸き起こり、映画スターであった岡田茉莉子の自伝を読む。 たまたまインターネットで岡田茉莉子の記事を読み、彼女が自伝を書いていたことを知り、読むことにした。 彼女の生前、幼少期の戦中から始まり、新潟に疎開し、終戦後も6年間新潟にいて、高校卒業とともに東京に戻ってきた話から始まり、父が岡田時彦という無声映画スターだと知り、母の希望もあって映画女優の道を歩みだしたこと。亡き父のこともあってか巨匠たちにかわいがられたこと。映画産業全盛期にスター女優となったこと。立て続けに映画を撮っていて、映画出演100本を超えて記念映画として「秋津温泉」を撮影したこと。岡田茉莉子の希望で100本記念映画作品が決まるほどとてつもなくスゴイ、スター女優だったこと。 斜陽となっていく映画、吉田喜重監督との結婚。フリーとなり映画出演は続くが、台頭してきたテレビにも出演。舞台にも出演。舞台の評判よくしだいに舞台が続く生活となっていく。岡田茉莉子の女優人生を綴った本ではあるが夫である吉田喜重監督について書かれたところも多く、映画監督で始めて、ドキュメンタリー監督となり、戯曲も書き、オペラも演出するという奇才な作家だったのだと知った。 「女優 岡田茉莉子」はこのあとも自伝は続くということで終わっている。2009年の出版から15年、卒寿を超えた晩年までの足跡も読みたいと思う。 長編であり圧巻であるこの自伝。読み応え十分、なかなかのものである。
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最終更新日
2024.09.09 23:51:56
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