|
テーマ:読書(8614)
カテゴリ:読書
『おばちゃんに言うてみ?』 泉ゆたか | 新潮社 (shinchosha.co.jp) サイコー! めっちゃ、ええやん! めっちゃ心に訴えかけてくるけど、これ、わいが大阪出身やらやろか。それも岸和田でっせ! それゆえこれほど心揺さぶられても岸和田(泉州)以外の人が感じることはないのかもしれない。そのような杞憂を感じた。一部の人を除いて、総じて好評なようで、この本の内容が合わない人もいるだろうし、まあまあ良かったと思える。 5つのエピソードがあり、それぞれ主役となる人物は違うけれど全編に”大阪のおばちゃん”が出る。このおばちゃん、こんな人いるのかな?と思えるけれど、著者が取材した辻イト子さんというタレント兼主婦の人がモデルのようです。 巻末の謝辞にあるように ”辻イト子さんは二〇二一年五月二四日にご逝去されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。” とお亡くなりになっている。私からも、ご冥福をお祈りいたします。 作者である泉ゆたかさんは ”1982年神奈川県逗子市生まれ。大阪府岸和田市在住。早稲田大学大学院修士課程修了。2016年「お師匠さま、整いました!」で第11回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。2019年『髪結百花』で第8回日本歴史時代作家協会賞新人賞と第2回細谷正充賞を受賞。他の著書に『君をおくる』『おっぱい先生』『お江戸けもの医 毛玉堂』「お江戸縁切り帖」シリーズ、「眠り医者ぐっすり庵」シリーズなどがある。”(以上https://www.shinchosha.co.jp/book/355261/より) とあり、岸和田に住んで四年ほどでこれだけ地に着いた泉州弁の物語が書けるのはすごい。 収録作「岸和田でヨガ」「代官山酵素スムージー」は東京で過ごしたこともある著者ゆえに岸和田と両地域の人物が描けていると思えた。「道頓堀の転売ヤー」も「宝塚のティッシュケース」も取材無くしては書けなかったと思うけれど「だんじり祭」にはしびれた。取材からの創作なのだろうか、と思いたくなるほどの内容である。 私の心をえぐり取り、楽しませてくれた本。 やっぱ、ごっついえらいわぁ。 おばちゃんに言うてみ? [ 泉 ゆたか ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.21 20:43:44
コメント(0) | コメントを書く
[読書] カテゴリの最新記事
|
|