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テーマ:読書(8608)
カテゴリ:読書
こんな人がいたのか。 最後の侍と著者自身が評しているが、終戦時内蒙古からの内地への撤退に際し、無条件降伏という条件の武装解除を行わず、終戦直前突如宣戦布告してきたソ連に対し徹底抗戦した陸軍中将・根本博。ソ連の日本人捕虜シベリア抑留は良く知られたことであるが、これは関東軍が武装解除したがゆえにソ連の暴挙を許したものであるらしい。 元日本陸軍北支那方面軍司令官・根本博中将は前書きの”はじめに”の文によると”終戦後の昭和二十年八月二十日、内蒙古の在留邦人四万の命を助けるために敢然と武装解除を拒絶し、ソ連軍と激戦を展開、そしてその後、支那派遣軍の将兵や在留邦人を内地に帰国させるために奔走した人物である。” 内蒙古にいた将兵と在留邦人は万里の長城を目指し、国民党軍(中華民国)に対し武装解除を行う。そして生き残った者は無事、内地へ帰国させる。その時の恩義、決死の覚悟で死地を脱した根本博は蒋介石、国民党軍への恩返しをと密航にて台湾へ渡る。共産党軍に連敗し敗走する国民党軍に身を投じるため。根本博の作戦により金門島を守り切り台湾を死守したとのことである。それらの事柄が書かれてあるが日本国内でのニュース、台湾での歴史からの抹消といったことも書かれていて、なお、その後の著者の調査にも触れられていて、根本博の痕跡を探し出すことの困難さがわかる。 この本を読むまで根本博中将のことは知らず、武装解除をしなかったがために内蒙古の日本人が助かったということも知らなかった。このことをこの本だけでなく広く現代の日本人に知ってもらいたいと思えた。 この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡 (角川文庫) [ 門田 隆将 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.11.03 22:15:48
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