|
カテゴリ:カテゴリ未分類
霞ががかった晴れ。じりじり暑いです。
夜なんか、もうテレビを観てられないのです。とにかく眠たい。座る、寝ころぶ、速攻うたた寝。 そんななかなんとか見られたのがNHK BS-2「もうひとつのムーミン物語- フィンランド トーヴェ・ヤンソンのいない夏 -」。ムーミンシリーズの作者、トーヴェ・ヤンソンが永眠してから1年。彼女が少女時代に過ごしたムーミン谷のモデルといわれている村(あえて名前は伏せられた。スウェーデン系フィンランド人が多く暮らす、海と森のある村)、ヘルシンキのアトリエ、40代から夏の数ヶ月を過ごし孤独に身を置きつつムーミンを執筆した岩だらけの小島クルーブ・ハル島…といったトーヴェゆかりの地を、日本でムーミンといえば「この人…」な岸田今日子さんと、一人っ子の寂しさ・孤独をムーミンシリーズを読んで力づけられたという、俳優の黒田勇樹くんが旅したのだった。 あー、番組中で岸田さんが驚いておられたように、ムーミン谷のモデルといわれている村の夏の森は、北国の森としてついイメージしてしまう暗く重い鬱蒼とした、恐ろしいばかりの森ではなかった。それどころかとても明るかった。海が近いことで潮騒が絶えず聞こえ、小動物や鳥の気配がし、針葉樹の森の緑は明るく柔らかいグリーンに日が透けて輝き、下草のなかをかごを持って歩けば木イチゴやベリーがとれる。こけむしたような、日が差し込む洞窟がある…。ムーミン谷はこんなにも生き生きした場所だったのだ、こんなにも明るく爽やかな場所だったのだ。 一人で過ごすこと、孤独の大切さ。 孤独に身を置くことは、もちろん寂しい。しかしそれ以上に得る物がある。静かな安寧、深い思索と思考のとき、心に受けた傷をいやすこと…。ひとには「贅沢な孤独」を享受する必要のあるときがあり、断続的に孤独を必要とする人がいるのだ。しかし孤独の境遇でもひとりぼっちを悲しみ嘆き深い見捨てられた孤独であってはいけない。人は断じてそうであってはいけない。ひとを欲し、ひとを愛し、愛されている、ひととのつながりと信頼と愛があっての孤独こそが贅沢な孤独なのだった。 ムーミンは心の避難場である。 孤独で寂しい人は、会いたければいつでもムーミン一家に会える。 …といった番組だった。たまたま番組表で気づいて見ることが出来たのだけれど、見て良かったのです。 ムーミンは子供の頃、アニメで入って好きだったのだけれど子供心に岸田今日子さんの声とニョロニョロが怖くて、またお話によく分からなさがやっぱり怖くもあったのでした…。いややっぱりニョロニョロって不気味っすよね。 長じてから原作を文庫本で読んでみるとアニメよりももっとクールで不条理で、でも理にかなって非常にすっきりした味わいの大きな物語だったのに驚いたりしたのでした。 フィンランドいきてえ~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2002年08月06日 13時19分20秒
|
|