新発売 日産ノートEパワー 技術面の興味
興味深い車が発売されました。日産NOTEのe-powerです。HV(ハイブリッド)車の仕組みに詳しくなければわからない話なのですが、プリウス・アクアやフィット3は、「シリーズパラレル式HV」で、ガソリンエンジンだけでも、電気モーターだけでも、あるいはその併用でも走れるHV車ですが、この車は「シリーズ式HV」と呼ばれ、ガソリンエンジンは発電専用になっているので、走行時はいつも電気モーターを使うということになります。ですからどちらかと言えばEVに近いですね。電池への充電専用のガソリンエンジンは、レンジエクステンダー(走行距離を伸ばす装置)とも言われています。このシリーズ式は、電池の充電量が低下すると自動的にエンジンが掛かるのは、他のHV車でも見られる挙動です。特徴的なのは、充電量が低い時にパワーを出す、すなわち多量の電力が必要な時は、1,200ccのエンジン発電機から電池を介さずに直接的にモーターに電気が流れるとのことです。また、エコモードに入れると、アクセルから足を放すとブレーキを踏まなくてもモーターの回転がゼロになる状態に持っていける、とのことです。モーター停止までの運動エネルギーすべてを回生電力として充電に持っていけるという意味ですね。これは素晴らしいのですが、今までの運転感覚とは違ってきますね。モーターによる回生が強くてブレーキ効果となり、雪国でのスリップに視点が当てられているぐらいです。もちろんそのモードにしなければよいのですが。さて、この車のJC08燃費は、37.2km/Lで、現行アクアの37.0km/Lよりも僅かに良いのですが、燃費ファースト仕様「e-power S・・・車重1,170kg」の一番安価なグレードのみとなっています。以外のグレード「e-power X・・・車重1,210kg」「e-power MEDALIST・・・車重1,220kg」はともに 34.0km/L です。それにしても良い数字です。シリーズ式は、昔からある公知の技術なのですが、「なぜ、今、シリーズ式?」と思えて仕方ありません。殆どの自動車メーカーがなぜ今までその方式を採用して来なかったのか、に興味があります。高効率モーターの出現、電池の高効率化と制御技術が進歩したのでしょうか。この車の実燃費がどうかは今後明らかになってくるので、観察したいと思っています。