テーマ:ハイブリッド・カー(58)
カテゴリ:車
前の日記では、THSの肝となる動力分割機構に触れましたが、今回はシステム
の動作に関するもので、車の取扱説明書には書かれていないことです。 ①放電のためのエンジン回し 普通に走っていたら、電池が満タンの表示となることはほとんどありませんが、 長い下り坂でブレーキを多用すると、あっという間に電池が満タンになります。 電池が満タンになると、ブレーキング時に充電しなくなります。 従ってガソリン車のごとく機械式の油圧ブレーキだけが作動するようになり、 いつものブレーキ感覚とは変わってきますので注意してください。故障では ありません。 また過充電防止のために、電気モーターでエンジンを空回して放電する場合が あります。この時はガソリンでエンジンが回っている訳ではないので、 いつもとは違ったエンジン音がします。 この過充電時の放電動作は、いわば電気を捨てている事を意味しており、 ちょっともったいないような気もしますが、電池を保護するためなので仕方 ありませんね。 ②EV走行条件が整っているのに、エンジンが回わっている まず、EV走行可能条件ですが、 1)エンジン冷却水温度 → 40℃以上 2)アクセル踏み込み量 → HSI(ハイブリッドシステムの表示)で アクセルメーターがEV領域にあること 3)時速76km/h以下 のすべての条件を満たしていれば、EV走行可能です。 しかしながら、この条件を満たしていても、エンジンが回っていることが あります。 システムONした後、 4)エンジン冷却水温度が70℃を超え 5)その後、速度60km/hを切り、 6)再度アクセルを踏んで増速してアクセルから足を放す 以上4~6の条件が揃った瞬間から通称「アイドリングチェック」が開始されます。 アイドリングチェックとは、文字通りアイドリング時のエンジンチェックです ので、システムが強制的にエンジンを回し続けます。 このチェック時間は約10秒です。 この10秒という短い時間の中でアクセルを踏んでしまうと、 アイドリングチェックが完了しなかったとシステムが判断し、アイドリング チェックを延期します。 次に条件が揃った段階でアイドリングチェックがリトライされます。 そしてこのチェックが一度終了すると、システムをoffするまでチェック はなされません。 ③時速76km/hを超えると強制的にエンジンが起動する 急な下り坂でアクセルを踏んでいない状態でも、時速が76km/hを超えた 場合は強制的にエンジンが起動します。 これは発電機が高速回転するのを防止するためで、エンジンを回すことに よって発電機の回転数を落としているようです。 もちろん、アクセルを踏んでEV走行を続けながら76km/hを超えても然り。 逆に、エンジン走行で時速100km/hで走行中にアクセルから足を放し、 速度が低下して時速76km/h以下に達すると、EVに切り替わります。 **************************************************** 以上3つを紹介しましたが、特に電池が満タンの時のブレーキ感覚の変化は、 経験しなければわからないと思います。回生ブレーキはよく効きますが、 機械式ブレーキだけとなると、効きが悪くなったと感じるでしょう。 しっかりとブレーキベダルを踏んでくださいね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.20 10:08:33
コメント(0) | コメントを書く
[車] カテゴリの最新記事
|
|