「オーガニック・コットン(NSC)の工房」 プノンペン郊外 晴れ
先日、カンボジアオーガニック協会の認証を受けている唯一の綿製品団体、Nature Save Cambodia(NSC)のプノンペン郊外にある工房を訪ねてきました。プノンペンから日本カンボジア友好橋をわたって15分位行ったところからメコン川を渡るフェリーに乗って工房のある中洲まで向かいます。フェリーを降りてさらに川沿いの上流へ15分位走るとその工房があります。NPO・Nature Save Cabodiは、まずバッタンバンの地雷除去地を綿畑にして、その地域の産業を復興させようというプロジェクトをはじめました。しかし、収穫した綿から糸を紡ぐ技術のある人がその地域には居ませんでした。この中州は、以前綿の栽培も行っていたのですが、外国の安い綿に押されて綿を栽培する人がいなくなっていました。綿花の栽培は途絶えていましたが、手紡ぎの技術を持っている方々は、今でも居るということで、NSCは工房をここに作ることになりました。収穫された綿は、まず種取り作業から始まります。種が取られた綿は、棒状に一定の大きさに固められます。その固められた棒状の綿から糸を手で紡いでいきます。紡がれた糸は一度洗って干します。そして色が付けられるものは、草木から作った染色剤につけて染められていきます。写真ではわかりづらいかもしれませんが、マンゴスチンの皮を干したものや樹の枝など、それぞれ下にある布の色になります。黒っぽい、灰色っぽいものだけは、藍染めのように一年間木の皮を水に漬け込んで発酵させた染色剤を使います。染色剤になるまで、一年間漬け続けるというのも時間という手間をふんだんに掛けた、こだわりだと思います。別のところでは、機織り機にかける縦糸の準備をしていました。機を織る際に、足のペダルで糸の上下がいれかわるように、一定のところでひねりを入れて糸をかけていきます。(なかなか言葉で表現しにくい行程です。わかりにくくてすみません。実際に機織り機を見てもらうとわかるのですが…。)かけ終わった糸たちをそのまま、機織り機をイメージして伸ばしていき、爪に指す準備をします。ここからの作業は、一本づつ爪に通していくのですが、とても細かな作業で大変手間が掛かります。そして機織り機にかかった縦糸に横糸を織り込んでいくと布地になっていきます。この日は、更に高度な足のペダルが3個ある文目織りをしていました。文目織りは、織り上がった時に縦横に目が揃うだけでなく斜めにも目が揃っていくという高度な技です。織り子さんに聞くと一日に40センチほどしか進まないと言っていました。こうして出来た100%カンボジア産のオーガニックコットンの綿製品、とても多くの人の手間と暇がかかって完成します。帰り際に見送ってくれた工房の方々の笑顔が素敵でした。早く次の世代にこの技術を橋渡しして、カンボジア産のオーガニックコットンが、もっと多くの人に愛されるようになることを祈っています。完成品はプノンペンのクラタペッパー本店にて販売いたしております。皆様のご来店をお待ち申し上げます。にほんブログ村