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「お帰り。今日は風があったわねえ、寒かっただろう」 「うん。具合はどう?」 「変わりはないよ。おまえに何か温かいものをこしらえておいてやろうと思ったのだがね」 「そんなこといいんだよ、近ごろ無理をしすぎている。寝ていなくちゃいけないよ」 「でも、おまえばかり働いてわたしが寝ているわけにはいかないよ。どれ、わたしの眼鏡を知らないかい」 「そこにあるよ、そら、その枕元の本の横」 「ああ、ここにあった。朝からずっと探していたんだよ。情けないね、見えないんだから。 ああ、わたしがいてはおまえはお嫁さんがもらえないねえ。」 「またその話か、やめておくれよ。気が沈むと言ってるじゃないか」 「だっておまえ、もうずっと子どもが欲しくてたまらないんじゃないか」 「他の女の子なんて欲しかないさ、麗子さんの子でなけりゃ嫌なんだ」 「だけどね、考えてごらんよ。わたしには子どもを産むどころか作る元気だってにはありはしないよ。」 「もういい、もういいよ。いまに麗子さんは元気になるのだから」 病弱な妻というより老いた母を世話するようなキャップが気の毒で仕方がありません。 乳母捨て山から連れ帰る甲斐のある婆さんじゃなく幼女入った性質の悪い老婆ね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月05日 10時09分14秒
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