|
カテゴリ:家族と親族
私が3歳になるまで祖母は大分県日田市に祖父と二人で住んでいた。 川沿いの借家に私は一人でよく泊まりに行って、帰る日になると帰りたくないと泣いた。 川で魚をとったり花火をみたりして何日も祖母と過ごした。初めてプッシュフォンを見たのもこの家だった。 このオランダ人形の形のポットとミルク入れはセットで食器棚にあって、私の憧れだった。 私はこれが欲しくてたまらなかった。宝石より抱き人形よりかわいい服よりこれが欲しかった。 遠回しにいいなあ、いいなあと何年かいい続けたのち、ある日ちょうだいと言ってみた。 「じゃあ麗子が大きくなったらあげようね。」 「なんで?! いまがいい」 「大きくなったら。」 「麗子が大きくなるころには割れちゃってるよ!!」 「大丈夫、おばあちゃまがちゃんととっておくから」 私は半泣きで抗議した。“大きくなる”まで15年以上かかる。そんな長い間待てない。絶対に割れる。人形は私のものにならない。 12年前、祖母からオランダ姉妹が送られてきた。祖母は目が見えなくなっていて、祖父に頼んで送ってもらったのだった。 「ね、ちゃんと覚えちょったやろう?」 これが私の家宝のお話です。 オランダの水くみ少女 陶器 オランダ製 陶器のかわいいお人形さんバケツがスカートにあたりオランダの音がします "くびれと腹筋物語"&人妻からの返信 楽天自腹列伝 楽天ブロランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[家族と親族] カテゴリの最新記事
|