クラシック音楽エッセイ～今日の１曲

子守唄は何も歌詞のついた唄だけではありません。ショパンやフォーレなどピアノ曲として書かれて作品もあります。

ガブリエル・フォーレ　Gabriel Fauré (1845-1924) 　後期ロマン派、フランスの作曲家です。甘美で官能的な旋律と宗教的な崇高さを合わせ持つ作風で、「レクイエム」はとくに名高いです。またパリの宗教音楽学校だったニーデルメイエール古典宗教音楽学校にて音楽の勉強をし、後には教師としてやってきたサンサーンスにピアノと作曲を師事した。卒業したのち、旅行先のレンヌにて教会オルガニストの職を得ています。

私にとってフォーレの作品は一見とりとめがなく何千ピースもあるジグゾーパズルのように見えたりするのですが、やはり印象派の先駆け、遠目で、またじっくりと耳を澄まして聴いていくうちにはっきりと美しい旋律が浮き彫りになってくるのです。

さて、このドリー組曲は1893 -1896年にかけて作曲されました。全曲（1. 子守歌 / 2. ミ-ア-ウ / 3. ドリーの庭 / 4. キティー・ヴァルス / 5. 優しさ / 6. スペインの踊り）。愛らしいメロディからなる小品集で、子供の世界を描いている点ではシューマンの「子供の情景」やドビュッシーの「子供の領分」を連想させます。

このドリー組曲のドリーとは、知人の銀行家の孫エレーヌの愛称。1892年に生まれたエレーヌの1歳の誕生日祝いに書かれたということです。実はこのエレーヌの母親にあたるエンマ・バルダックとは愛人関係だったとも言われていています。そのエンマはドビュッシーと再婚しています。いつの時代でも音楽家にはロマンスがつきものですね。

　　　　　　　　　今日の一枚～成長したドリーと母エンマ

ピアノ（連弾）: Jacqueline Bonneau (1917-2007)  & Genevieve Joy (1919- )

http://www.youtube.com/watch?v=8WZ2-d54SEA&feature=related

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