カテゴリ:クラシック音楽
メンデルスゾーン◇無言歌集より「ないしょの話」「胸騒ぎ」「デュエット」 メンデルスゾーンの作品からもう1つ、今日はピアノ曲にいたします。ピアノ曲と言えば「無言歌集」が代表的であり、ピアノ学習者なら必ずいくつか勉強したことでしょう。 ドイツ語の原題では"Lieder ohne Worte"(言葉のない歌)です。(英語では Songs Without Words, フランス語では Romances sans paroles )と呼ばれます。メンデルスゾーンが「無言歌集」と題して出版されたアルバムは作品19、作品30、作品38、作品53、作品62、作品67、作品85、作品102 の全8巻から成り、それぞれ6曲ずつ合計48曲になります。 当時のドイツ・ロマン派音楽の中で沢山の作曲家達がこのような小品集=「性格的小品集」作りました。性格的小品は「キャラクター・ピース」(Character Pieces)とも言われ、その時代に自由な発想によって作られたピアノのための短い楽曲の事を呼び、しばしば数曲まとめられ曲集とされています。 例えば、ショパンのスケルツォ、マズルカ、ワルツ/シューマンやブラームスの間奏曲、バラード、奇想曲/リストの狂詩曲/フォーレの即興曲/ベートベンのロマンス エトセトラ・・・ と、まだまだその他沢山あります。が、シューベルトの「4つの即興曲D899」が発端であると言われています。ただ多くの作曲家達がこの分野で種々の名作を残せたのはやはりメンデルスゾーンの「無言歌」やシューマンの初期のピアノ作品群の影響が大きいとの事です。 全48曲にはそれぞれ表題がありますが、実はメンデルスゾーンが自分でつけた表題は5曲しかありません。3の『ヴェネツィアの舟歌』(作品19-6, 30-6, 62-5)と『デュエット』(作品38-6)、『民謡』(作品53-5)がオリジナルです。が、他に最も有名な《春の歌》(作品62-6)、他に《葬送行進曲》(作品62-3)、《紡ぎ歌》(作品67-4)、《子守歌》(作品67-6)なども楽譜の冒頭の発想標語からついた題名である、という事でこの4曲については、作曲者オリジナルの5曲と同様にみなして差し支えないとの事。 私も今年になってセカンドアルバムを作成中なのですが、「春の歌」を入れました。改めて無言歌を色々聴いてみると今後勉強して録音していきたい、と思う曲がまだまだある事に気がつきます。このメンデルスゾーンの曲集は心穏やかにさせる柔らかさ、甘美なメロディーに満ちていて私達を幸せな気持ちにさせてくれますね。おそらくそこには彼自身が裕福な家庭に育ち、姉弟の仲も非常に上手くいっていた背景もあるのでしょう。
今日の1枚~Robert Poetzelberger (1856-1930)◇言葉のない歌 *シューマンとクララの仲むつまじい夫婦。モーツアルト家では、ナンネルルとアマデウス姉弟も仲良しで有名。この絵画のフェリックスとファニーのメンデルスゾーン姉弟ほど仲の良い姉弟はいないのでは、と言われています。弟のフェリクスは、曲を書き上げると真っ先に姉のファニーに聴かせ、姉が注意をすると素直に書き改めたとの事。当時女流ピアニストとしてサロンで人気だったファニー・メンデルスゾーンの実践的なアドバイスに従っていたのでしょう。ふたりの姿を描いた絵画は、まるでロマンティックな恋人同士のように見えます。 今日の動画は小山さんに並び、私のもう一人の大好きな日本人ピアニスト「田部京子」さんを見つけました。 作品19-4 ないしょの話 ピアノ:不明 http://www.youtube.com/watch?v=26wF7kEBekg&feature=related 作品38-6 デュエット ピアノ:田部京子 http://www.youtube.com/watch?v=AMaQ-tsvD-w&feature=related 作品53-3 胸騒ぎ ピアノ:田部京子 http://www.youtube.com/watch?v=EBckNNybg3Y&feature=related
くみこpiano youtube コーナー このコーナーでは私自身が今まで演奏した曲達の中から「ライブ録音」&「本格録音」をしたものをご紹介します。下記は「今月のアップ曲」です。是非聴いて下さいね! ドボルザーク◇4つのロマンティックな小品より第1番:Viollin & piano(本間くみ子) http://www.youtube.com/watch?v=jSSdpzerxnI 私のCDに関するお問合せはこちらへ:k-honma@violet.plala.or.jp お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 6, 2010 03:02:19 PM
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