悪女　その２

June 9, 2010

ビゼー◇カルメン

サンサーンスとほぼ同じ頃、同じくフランスの作曲家をすぐに思い浮かべました。ジョルジュ・ビゼー（Georges Bizet, 1838-1875)はフランスの作曲家です。父は声楽教師、母はピアニストで、幼い頃から音楽に親しみ、記憶力が抜群であったとの事。1861年ビゼー２３歳の時、リストの新作のパッセージを一度聞いただけで演奏し、さらに楽譜が渡されると完璧に弾いてのけ、リストを驚愕させました。

さてこの「カルメン」ですが、当時ビゼーはオペラ作家としての成功を夢見ていました。しかし３７歳、１８７５年3月にパリのオペラ＝コミック座で行われたこの『カルメン』の初演は、ヒロインが女性労働者だったこともあり失敗に終わったのです。それでもヒロインの声域をそれまでに一般的だったソプラノではなくメゾソプラノに設定したことも新しさの一つでした。故に歌劇『カルメン』はドビュッシー、サンサーンス、チャイコフスキーなどから賞賛されています。また『カルメン』の名旋律を使った『カルメン幻想曲』と呼ばれる作品も後に作られました。

*オペラ・コミックとは、フランスの、歌以外の台詞を含むオペラの一形態です。

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　　　　　　　　　　　ドラクロワ◇オペラコミック　クレイボード

＜とっても簡単なあらすじ＞

セビリアの煙草工場でジプシーの女工カルメンは喧嘩騒ぎを起こし牢に送られることになった。　しかし護送を命じられた伍長ドン・ホセは、カルメンに誘惑されて魅力に心を奪われ彼女を逃がしてしまいます。後にパスティアの酒場で落ち合おうと約束しますが、カルメンはすでに心変わり。ホセの恋人だったミカエラの忠告、説得も耳に入りません。やがて心変わりを知ったホセはカルメンに復縁を迫り逆上して刺し殺してしまうのです。。。

「カルメン」という名はこのオペラのおかげで私達にはとても魅惑的なスペイン女性のイメージですが、実はとってもポピュラーなのだそうです。スペイン広場で「カルメン！」と叫ぶと子供からお年寄りまで様々な女性が振り返ることでしょうね（笑）

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