カテゴリ:クラシック音楽
私自身、ちょうど2ヶ月後に控えております第3回ピアノリサイタルにて、これからご紹介するシューマン「子供の情景」もプログラムに入れました。非常に好きな作品の一つでもあり、演奏できる事を今からとても楽しみにしております。
まず、トロイメライについてはこちらスケッチ「愛らしい小品たち」のエッセイも重ねてご覧ください。 1 見知らぬ国 2 不思議な出来事 3 鬼ごっこ 4 おねだり 5 十分な幸せ 6 重大な出来事 7 トロイメライ 8 暖炉のそばで 9 木馬の騎士 10 むきになって 11 怖い風 12 眠りに入る子供 13 詩人は語る シューマンは沢山の子供がいました。母親であるクララは大変素晴らしいピアニスト。子育ては一人でも大変なのに、こんなに大勢の子供たちの面倒をみながらどうやって自分の練習時間を捻出していたのでしょうか・・・古い映画ですが「愛の調べ」(クララとシューマンの物語)の場面にもクララの子育てぶりが出てきます。母としての優しさ、強さがとても魅力的に描かれています。 さて、この曲を聴いていると(弾いていると)そんな子供たちの日常の様子が本当に手に取るように分かります。シューマンの精密な描写力、表現力は並みならぬ才能だという事は言うまでもありません。 ところで、私はフランス画家「ルドン」がシューマン崇拝者だっということを偶然知りました。 「交響曲的画家」=今日の言葉でいうと抽象画家、また、再現画家、ルドンはそのどちらでもなく、「象徴的画家」であり、豊かな想像力で彼自身の音楽志向からその栄養を吸収していたに違いありません。 ルドンの描いた作品にはシューマンを題材にしたものが多く残されています。 また、ルドンの日記「私自身に」の手記にシューマンついていくつか書かれています。 肖像画の最悪のものは、人間の顔の中に人間がいることを示さない種類のものだ。 ルドン『私自身に』 ルドンが熱狂的なシューマンのファンだということの証明に音楽仲間からの手紙の出だしに「親愛なるシューマン」と書かれているのがいくつか残されています。 この他に、ルドンがシューマンを崇拝していた理由の一つにはシューマン自身がホフマン(ベルリン小説家・音楽家)に憑かれていたことが挙げられています。シューマンのあの有名なピアノ大作「クライスレリアーナ」はホフマン著「クライスラー楽長」をもとに作られています。 彼自身が高貴だった。その意味は、絶対に利己的でなく、自己を棄てた心の流露、強く充足した魂を持っていたということである。シューマンは、彼の果実を与えた。 林檎の樹が林檎を与えるように、自己本位の思いもなく、悔いもなく、彼の心臓と思想、彼の作品と彼の一生を、他人の苦しみを自分のものにする人々と同じように、与えた。 それこそ最高の恩寵であり、深い天才の性格のしるしである ルドン『私自身に』から1915年の手記、池辺一郎訳、みすず書房 ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ インフォメーション ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ http://www.youtube.com/user/kumikopianon/videos お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 8, 2012 07:48:47 PM
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