想い出がマニアに負けた日
先日、インターネットオークションで色々と探っていると(またレトロゲーム探りw)ゲームウォッチがたくさん出品されておりました。自分も子供の頃はゲームウォッチをたくさんやりました。周りに持っている人も少なかったので沢山の種類はできませんでしたが同じゲームを何度も繰り返しプレイしたものです。自分が一番印象に残っているのは任天堂の「グリーンハウス」というものでしたが従来のゲームウォッチから上下2分割のスクリーンパネルが特徴で売り出されたものでした。今で言うところのニンテンドーDSみたいな形ですね。そんなわけで、初めてDSを見た時はなんだか懐かしかったです。昔から失敗も多いけど色々とギミックを探究する任天堂の姿勢はかなり好きです。当時、小学生の1,2年だった自分は両親の離婚もあって、おじいちゃんと父親の兄夫婦が住んでいる家にあずけられておりました。そこの従姉妹がグリーンハウスを持っていたのでよくプレイさせてもらってました。ゲームウォッチの価格はだいたい4,000円~5,000円くらいだったと記憶しております。ファミコンが出るか出ないかくらいの時期だったと記憶してますが、子供のおもちゃとしてはすごく高いだけに持っている子は羨望のまなざしで見られていました。さて、自分は?と言いますと持っておりませんでした;;おじいちゃんの家にあずけられていた7歳~11歳くらいの頃は経済的な理由もあり母親とは一緒に暮らせず、母親が必死で働いていたこともあって、逢えるのも年に数回くらいでした。かなり寂しい想いをしましたが、母親もきっと苦しかったことでしょう。そんなある時のクリスマスに母親は一つのゲームウォッチを自分にプレゼントとしてくれました。実際にはLSIゲームというくくりになります。たしかゲームウォッチは任天堂だかどこかの商標だったと思います。もらったのは野球のLSIゲームで「ヒーロースタジアム」という名前でした。ボードゲームの野球盤みたいな形でピッチャーもバッターもできるものでした。今思えば、当時LSIであれだけ出来が良かったのもすごいな~と感心します。ファミコンを持っている友達の家に遊びに行ったりするものの、やっぱりその手の電子的なゲームに飢えていた自分にとっては、ファミコンほどじゃないけどすごく高いおもちゃで嬉しさは言い表せないほどでした。毎日毎日、同じLSIゲームをプレイしては楽しんだものです。当時、母親に逢えなくて寂しくて、こっそりと一人で泣いた事もたくさんありました。そんな寂しさをまぎらわせてくれて、母を思い出させてくれる一品だったのも事実です。それにしても、案外難しくて、慣れれば必ず勝てるという感じでもなかったので調子が良い時は無失点で勝てるし、調子が悪ければガンガン打たれるというという繰り返しだったのが飽きずに何度もプレイできた理由かもしれません。かすかな記憶では最後は壊れて動かなくなってしまってから捨ててしまったと記憶しております。何はともあれ、ゲーム好きという今の自分を作ったものの一つだったことは確かです。さて、話は現代にもどり、たまたまそれを思い出した自分はすごく不明瞭な記憶を元に野球のゲームウォッチを探しました。その時点では名前すらもわからない状況だったのですが、オークションをどんどん周り、記憶にある概観をたよりに探していたら・・・あったのです!いや、ほんと懐かしくて嬉しかったですよ。ちょっと見ただけで、すぐに外観も思い出せました。一目見てすぐにこれだ!と解ったのはやっぱり嬉しいものでした。さて、その出品者の方は1000円ほどで出しておりました。特に誰かが入札してるでもないし、あと一日くらいだったので、様子をみながら落札しようと思っておりました。このぶんなら案外1000円くらいでいけるかな?と淡い期待をしていたのですが・・・次の日、いよいよその日の夜でオークションも終了という時に昼間そこをのぞくと・・・うっ・・ライバル出現!!さすがにピンチを感じました。。それでも、夕方までハラハラしながら見守っていたんですけど、その一人だけしか入札もないのでひとまずは安心。とはいえ、終了間際に入札が殺到するというのはセオリーなので、ゆっくりと緊張しつつも見守っておりました。そして、いよいよ終了30分前・・・・。じわじわと入札者が増えてきているようです。4人ほどがじわじわと値をあげつつ争っているようですが、このままなら2,000円代くらいの小規模な落札合戦で終わると自分は踏んでおりました。なにより、任天堂のゲームウォッチならば1万を超える事はザラですがこの手のLSIゲームの一つくらいならば、それほどマニアが殺到することもないだろうとタカをくくっておりました。しかし、、それはとてつもなく甘い!という現実を突きつけられるのでした。定価4,800円までは戦おうと決意しておりましたが、終了10分前にして既に6,000円^^;あまりに気になったので、戦っているらしき二人の履歴を見ると・・・・あぁ・・どうやらゲームウォッチやらLSIゲームのマニアの方のようです。かなり高金額のものを何度も何度も落札している履歴を見る事ができました。こりゃ、勝てないな・・・。とかなりへこみつつも一応最後まで見届けようと思い立ち、しばらく静観しておりました。結局最後は16,000円くらいまで上がって終了。。。。ん~まさか任天堂系のゲームウォッチほどの高値がつくとは・・・。自分の中では名作でしたが、このゲーム実は世間一般にも、すごく名作なのだろうか??マニアの方は現実に存在するし、オークションという公平な状況での落札なので文句は言えません。昔のものなのでプレミアがつく可能性もあるのは百も承知ですが「想い出がマニアに負けた日」として印象的な日となりました。今は引越ししたばかりで経済的余裕もないですが、いつかそれくらいをポンと出してでも買いなおしたい一品です。自分のゲーム人生の原点でもありますしね。手に入れることができたら、母にも見せてあげようと思います。素で「なに?それ?」とか言われるでしょうがwまあ、何にしても、当時の母に、このゲームを送ってくれたことを「ぐっじょぶ!」と言いたいものです。