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2007年07月16日
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カテゴリ:美術鑑賞
●美術「青山二郎の眼」展_オススメ度★★★★(満点5点)

最近焼き物が気になって仕方がない。

3月23日の日記
に書いたが、出光美術館でやっていた「志野と織部」展で頭をガツンとやられたのが直接のきっかけ。
器の中に試行錯誤の歴史・この器に賭ける感情・練り上げていった文化が詰まっていると強く感じた。

陶芸家中野純の立野窯
定点観測している。
「友達に陶芸家がいてさぁ」とは誰しも言ってみたい台詞で、
彼はそれを可能にしてくれる貴重な友人(笑)。
ほぼ毎年松屋銀座で個展を開いているので、見続けていると
少しずつ自分の焼き物に関する眼が開かれていくような感覚を得ていた。
そこに、「志野と織部」で爆発が生まれた。

さて、「青山二郎の眼」展

青山二郎という人の名前は白洲正子を少し読んでいたときからなんとなく
知ってはいた。「高等遊民」。そうなりたいもんだ。中学が一緒ということは
今回初めて知り、ちょっと親近感。

自分では何も生み出さず、評論みたいなことをしているだけじゃ、大したことないなぁ
などと不遜なことを考えていたのだが、世間で評価されていない作品を再評価し、
見出す、という行為はいわば美を再発見していることでもあり、創造にも
近しいものかもしれない、とも今回思った。

本展で一番楽しみにしていたのは、日本の焼き物だったのだが、
一番衝撃を受けたのは朝鮮李朝の白磁。白磁丸壺 銘「白袴」。
上記HPに写真が出ている壺。

朝鮮の白磁などは博物館でチラチラ見たことがあったが、
なんだか、白くてドテッとしていてでかいだけじゃねぇかと
感じており、いつもスルーしていた。

今回の展示物は違った。白が深いのだ。色んな方向から見ると
色んな味を見せる。テカッとしているようで実は奥行きがある。
宇宙にポワッと浮かびじっくりと存在している。その存在感が
おしつけがましくもなく、自然と眼を引き寄せられる。
シンメトリーじゃないのもいい。ガウディでも美は曲線にあり、と
感じたが、美は不均衡にこそあるのかもしれない
不均衡であり不完全であるからこそありとあらゆるところから
自分の解釈が可能であり、作品により近づくことが出来る。

この美しさに眼を開かせてくれただけでもこの展示に来た甲斐があった

青山二郎と一緒に生きた人は、こんな開眼を何度も経験してきたんだろうなと
容易に想像がついた。人を導こうとはしないのだろうが、自然と導いているような。

他にも唐津焼・呉州赤絵なども展示されていて、それはそれでよかったが、
今回は白磁に出会えただけで大満足。

#どんどん広がっていくなぁ





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最終更新日  2007年07月16日 21時27分46秒
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