いいもんもん

幼稚園にはいかない！


と、断言していた“たっちん”が変わり始めたのは
年が明けてからだ。

幼稚園バックを初めて手にした日
鞄にトミカをたくさん詰めて


これで“たっちん”もお仕事（幼稚園？）に行くの。


と、嬉しそうに鞄を肩からかけて家の中を歩き回った。


その日から“たっちん”は私に幼稚園のことを質問してくるようになった。


幼稚園は一人で行くの？


幼稚園でなにするの？


一人でご飯を食べてくるの？？


などなどなど。


「一人で」というのが嫌らしい。


幼稚園が始まっても最初の頃は
ご飯も食べずに帰ってくるんだよ。
「いってらっしゃ～い」って送ったらすぐに「ただいま」なんだよ。


えっそうなの？
ご飯は一人で食べないの


最初の頃はね、食べないよ。
給食が始まったらみんなで食べるんだよ。


ふ～んそうなの。
すぐに帰ってくるんだったらいいなぁ～。
それで幼稚園ではなにをするの？
“たっちん”、一人で何するの？

幼稚園に行ったらず～～～っと遊んでいるんだよ。
この前幼稚園に行ったらみんな遊んでいたでしょ。
ず～～っと遊ぶんだよ。


え～～～っ！ずっと遊んでいていいの！

その言葉が嬉しかったようで…
それ以来

あ～早く幼稚園に行きたいなぁ～。
“たっちん”バスに乗っていくよ。


なんて言い始めた。


（あ～良かった。行く気になって良かったなぁ～）

ちょっと安心した。

そしたら“たっちん”が


“たっちん”が幼稚園に行っているとき
お母さんは何しているの？


と聞いてきたので

えっ！お母さんは掃除とか洗濯とかかなぁ～
（な～んて、お母さん好きなだけウィンドーショッピングに出かけたり
　好きなだけ図書館で本を読んだり、泳ぎに行っちゃったり
　美味しいもの食べにいっちゃったり～～～へへへ～）


心の中では「うっしっし～～～(^皿^*)」なんて思っていたら…


お母さんは、ぬいぐるみで遊んでいるといいよ。
ぬいぐるみたち、“たっちん”がいなくて寂しい～って言っているからさ。
お母さんも寂しくないでしょ！


(。。)………


思わず目頭がじわって熱くなってしまった…。



ほんとはお母さんも寂しいよ。
今までずっと一緒だったから、そばからいなくなると思うと寂しい。
だけど“たっちん”の旅立ちだから…。
母は背中を押してあげる立場なんだから…。


ここで涙を見せたら“たっちん”の気持ちの腰を折る。



そっか～。それじゃ～お母さんは
ぬいぐるみさんたちが寂しくないように遊んであげているよ。
だから“たっちん”もたくさん遊んでおいで。


うん！そうしてあげてね。
あ～楽しみだなぁ～！！
幼稚園、楽しみ～～～！！



だって…
“たっちん”に
励まされちゃった…。

子どもの方がしっかりしている。
母は弱い。いけない、いけない