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2011年05月27日
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カテゴリ:おめでた2
16:20  病院着

すぐに内診へ。
土曜日だったので医院長とは違う
若くて体格の良い女の先生が診てくれた。

「子宮口が6センチになっていますね。
 産みましょう。入院ですスマイル

ニコッと微笑みながら告げられて
なんだかホッとした気持ちに。

「それでは陣痛室に行って着替えましょう」

台から立ち上がって歩こうとするが
もうこの辺りから痛むたびに歩けなくなっていた。

「大丈夫?頑張ろう」

助産士さんに腰をさすってもらいながら部屋に移動。

診察室から出てきた私を
夫さんも“たっちん”もちょっと心配そうな
でもなんだかニコニコしているような顔で迎えてくれた。
そんな二人に女医さんが

「まぁ~後2時間ぐらいですかね」

と伝えていた。

私は腰をさすられながら陣痛室に入り
すぐの入ったベットのところで
また激しい痛みに襲われて立ち止まる。
休み休み奥のベットにたどり着き
着替えを始めた。

着替えている時もズンズン痛みがくる。


(早く着替えた方が良い)



と直感で感じたので
急いで服を脱ぎ下着一枚になったところで



ドッカ~~~~~~~~爆弾爆弾


という激しい痛みに襲われて



ぎゃ~~~~痛い~~~~~ほえー


と下着のままベットに倒れ込んだ。

ものすごい痛み。
こんな痛み経験したことがないわびっくり
痛くて立っていられず
ベットの上をゴロゴロと、のたうち回った。


「きゃ~~~大丈夫。
 誰か~来て~。もう分娩室に運ばないとまずいかも~~~」

助産士さん3人が私のところに飛んできて

「服を来ましょう、服を来ましょう」

「歩ける?歩ける??」

「立って!立って!立って!」

いろんなことを言われたが
そんなことより、もう痛くて痛くて何がなんだか…台風

このまま失神してしまうのか
イヤ、失神させて
イヤ、産まないと…


そんなことが頭の中でグルグルまわっていた。


私は3人の助産士さんに抱えられながら
どうにか立ち上がり
ズルズルと引きずられながら分娩台に。

「きゃ~服を来ましょう。
 裸よ裸ぁ~。裸はかわいそうよ。」

「きゃ~パンダさん。体が半分落ちてる。
 分娩台から落ちちゃう。ちゃんと乗って~」

「パンダさん。点滴するから左手動かさないで~」

「パンダさん。腰上げてぇ~。
 赤ちゃんの心音取るから、腰にベルトしたいの」

「落ちる~。ちゃんと乗ってぇ」

「先生呼んできてぇ~」

「パンダさん。服きて~」


私の頭の上で、みんながギャーギャー言っている。

でもそれどこではない。
体が

ベリベリベリ~~ って裂けそうな


激しい痛み。
目をつむり、歯を食いしばっていないといられない。

あまりにも痛くて
気がついたら助産士さんの胸ぐらをつかんでいた。


夫さんが呼ばれたのか
頭の上から



お~もうすぐだって。
がんばれ!がんばれ



と声がした。

(後から聞いた話だが
 助産士さんが部屋から飛んで出てきて
 「旦那さん、出ちゃう!出ちゃうから早く入ってきて」
 と言われたらしい。
 出ちゃうって…しょんぼり


私は痛いながらも



(えっ?“たっちん”は??
 “たっちん”はどうしたの?
 1人で待っているの???)



ここの病院は医院長の考えで
子供の立ち会いはできない。
1人でドアの向こうで待っている“たっちん”を思ったら
スゴく不安になって…。
でもどうすることもできず…

そんなとき


メリメリメリ


何かが体の中を
何かが走った(メリメリと聞こえたように思う)


ぎゃ~~~~~~~ほえー


たぶん、赤ちゃんが骨盤の中を通ったんだ…
スゴい叫び声だった。
自分の声に驚いた。
でも痛い。辛い。

(“たっちん”今の声を聞いてないよね。
あんな声を聞いたら不安になっちゃうよね。
泣いていないかな…)



そう思ったとたん


メリッ
ピキッ


ほえー


裂けた。
自分でもわかった。
スゴく痛い。
裂けるって、こんなに痛いんだ。
ショッキングな痛みだった。

その痛みと同時に
もう体を裂くような痛みはなくなり
体がし~~~んと静かになった。
声を出さなくてもよくなった。

今まで痛くて目をつぶっていたが
目を開くことができ
周りを見渡すことができた。

女医さんと目が合った。

ニコッ

笑ってる。

「パンダさん。息まないで。
 まだよ。先生の合図で息むのよ」

助産士さんがそう言った。

「えっ、いいんだよ。息んでいいよ。」

先生にそう言われて


(息む?息むって??)



と考えている時に


あっ、出た!


と夫さんの声がした。



(えっ。出た?そういえば今、ヌルっとした)


下の方を見たら
先生がグリーンの布を広げて
赤ちゃんを支えていた。


「はい、4時49分。男の子です」


(あ~産まれたんだ)


そう思ったら


「はぁ~~~~」


と3人の助産士さんがため息をついたうっしっし

赤ちゃんは泣かなかった。
泣かないので心配したが

「産まれてきたねぇ~。お母さん、見る?」

と赤ちゃんを連れてきてくれた。


こんにちは~。でてきたねぇ~。
うわぁ~“たっちん”にそっくり。
“たっちん”だわ。
泣かない…泣かないけど…



「今、お風呂に入れてくるね。
 そうしたら泣くわ」

助産士さんが連れて行こうとしたら
赤ちゃんは泣いたのでホッとした。

「4時49分 産まれました。 
 おめでとうございます。
 切開はしませんでしたので、縫うこともしません。
 このままにしておきます」

と先生に言われた。


(あ~切開する前に裂けちゃったんだね。
 そんな暇もなかったんだね)


納得。



「それでは、処置がありますから
 旦那さんは表でお待ちください。」


ねぇ~“たっちん”は?
どうしているの??
ひとりなの??



“たっちん”は「僕はいつも家で1人で待っているから大丈夫だから」
って言ってね、隣の部屋で待っているよ。



早く行ってあげて
(いつも1人で家で待たせた事あったっけ??)



そこまで言ったら
グッタリきてしまい…
そしてドッカンときた痛み
メリ、ピキッときた痛みが
どんどんフラッシュバックしてきて
その度に、心臓がバクバクしてね。
ただただ天井をじ~~~っと見つめていた。

「すごかったわ」
「すごかったね」
「私、赤ちゃんの心音取れなかったわ」
「お母さん、落ちなくてよかった」
「いや~~~ビックリ」
「早かったねぇ~」
「3人いてよかったわ~」

口々に言う助産士さんたち。
すごく近いところで話をしているのに
遠くで話をしてるような
そんなふうに思えるほど
先ほどの痛みのフラッシュバックが激しかった。

16:49

病院に入ってから約30分後に産んでしまった。

「もう少し遅れていたら
自宅出産だったかもしれないね。
自宅出産したら救急車だったよ」

助産士さんにそう言われて


あ~そうだったかも。
でもあの痛みを二人が見たら卒倒しちゃったかもなぁ~


「あはは。そうかもねぇ~」

そんな会話はできるんだが
頭はあの痛みのことで一杯で
ぼ~~~っとしていた。

その夜は
目をつぶるたびに
ドカ~ン ドカ~~ンと
痛みのフラッシュバックが来て
その度に心臓がバクバクして
一睡も眠ることができなかった。

産む前は

陣痛短めで早く産みたいあっかんべー

なんて思っていてね。
現実的になったけど…
あんな痛みは
もうゴメンだな号泣






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Last updated  2011年05月27日 19時15分00秒
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