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2006年06月17日
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先日の日米対決では、
あえなく「真剣白刃取り」に失敗して惨敗したくろですが、
その昔、「無刀取り」という神業の達人がいました。

柳生新陰流の創始者、柳生石舟斎宗厳です。
その技に惹かれた徳川家より指南役を乞われた達人です。

新陰流の極意は、この間新陰流を体験した友人によると、
「切らず(相手を)、取らず(命を)、勝たず、負けざる」

だそうです。

本来、人を斬る術でありながら、
この極意の深さに心を打たれます。



実は、もともと、
柳生石舟斎宗厳は、
くろが最も尊敬する偉人の一人です。

そのきっかけは、
柳生宗厳が自分につけた名前
「石舟斎」の由来を知ったことでした。


以前(中学生の頃?)読んだ本に
書いてあったのですが、
今でもそらんじています。


石舟斎の句です。


「 兵法は 沈みていてこそ 尊けれ
  千代の流れに 朽ちぬ石舟  」

(確かに記憶しているのですが、
 ネットでたたいても出てこない・・・
 何の本で読んだのかも忘れてしまいました。
 吉川栄治の本だったかなぁ・・・)


剣術で身を立てることが立身出世への道であり、
社会も安定していない時代に生まれた剣術であるにもかかわらず、
兵法を「沈みていてこそ尊い」と言い切ること、
しかしその極意は「千代の流れにも朽ちない」と言っていること、
当時の時代背景を鑑みるに
恐るべき先見の明だと思います。

剣術が強かった、ということではなく、
その思想の深さに打たれました。
また、逆に、
それだけの思想に支えられた剣術は
どれだけ強かったのだろうか、
とも思います。



さて、

当時は「兵法」が「力」だったのに対し、
現代は「金」が「力」である時代と
言えるのではないでしょうか。


兵法の極意が「千代の流れにも朽ちない」もの
それだけ根源的であり、価値のあるものであるのに対し、
金儲けの極意はどうなのでしょうか。
とてもそうは思えません。
くろはいまやどんどんバーチャルな存在となっている
お金というシステム自体
崩壊してしまえばいい

と、思っているので。


今の、この時代。
「千代の流れに朽ちぬ石舟」となる
新しい価値観とは、
一体何なのか。

天国の石舟斎に
是非教えを乞うてみたいものです。





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最終更新日  2006年06月18日 03時00分11秒
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