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2006年07月27日
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素敵なピアノの音に触れて
思い出したことがありました。

くろも小学校低学年の頃、
ピアノを習っていたことがあります。

1年に一度くらい、ピアノの調律師が来て、
くろのピアノを調律してくれました。

その作業を一部始終、飽きずに眺めていたのを覚えています。


その調律師がくろに話してくれた話です。



ドイツのベーゼンドルファーというピアノのメーカーがあるんだよ。
そのピアノの音は、魂がこもっているんだよ。

ピアノはみんな工場で作られる。
普通は品質検査をしてそのまま出荷されるけど、
ベーゼンドルファーは違うんだ。

専属のピアニストが、できたばかりのピアノをずっと弾く。
すると、急に
音に魂がこもる瞬間が来るんだ。

音が急にガラッと変わって、
生きた音に変わる。
ピアノが自分の意志を持って歌いだす。

そんな瞬間が急に訪れるんだよ。


100時間以上弾いても
その瞬間が訪れないピアノは、
また工場に戻され、
調整しなおすんだよ。

そして、魂のこもった音を出すピアノだけが、
出荷されるんだよ。



子供心にも、とっても心惹かれる話でした。

魂がこもったその瞬間、
ピアノの音って一体どんな風に変わるんだろうか。

その瞬間を聞いてみたい、
強く思いました。



大量生産と芸術性、
工業製品と職人魂、
その両者が交じり合う瞬間、
一体なにがこの世に生まれるのか。


その瞬間に立ち会ってみたいという夢は
今もずっとくろの中にしまってあるんです。





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最終更新日  2006年07月28日 01時21分17秒
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