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カテゴリ:アニメ
監督 宮崎駿 皆さんご存知の、日本映画史上ぶっちぎりの第1位の興行収入を誇り、ベルリン国際映画祭金熊賞、米アカデミー賞長編アニメ賞など、数々の受賞歴を持つ、ジブリ映画の大大大ヒット作です。 もちろん、日本全国ほとんどの方が観ているので、今更あらすじなど紹介する必要ないと思いますので、書かないでいきます。 この物語は、少女千尋が、子どもから大人の入り口に1つステップアップする成長物語です。冒頭の車の中では、両親に甘えている言動を見せる千尋が、迷い込んだ“油屋”で“千”として、働かされることを通して、自ら考えて行動し、道を切り開いていくことを覚えます。 千尋が10歳という設定がいいですね。10歳という年は、子ども、とりわけ女の子にとっては、子どもから大人の入り口(思春期という)へのステップアップの時期に当たります。 これまでは、親のいいなりであった子どもたちが、自分で物事を考えられるようになり、自分の考えで行動したがる時期です。(第2次反抗期とも言いますね。)この時期に子どもの考え(もちろん多くはまだまだ未熟なもの)を尊重し、周囲の大人が頭ごなしに否定することなく、うまく導いてやることが子どもの成長にとって大事なことです。 千尋は、強制的ではあるが、両親から引き離され、自ら考えて行動することを求められ、いろいろと悩みながらも、リンやハクや釜爺などの先輩たちのアドバイスを受けながら、自らの道を切り開いていくわけです。 そんな千尋の試行錯誤を、観客は心配したり励ましたり同情したり共感したり喜んだりして、見守っていくことを楽しみ、感動するのです。 そうして、この映画は莫大なヒットとなったのではないでしょうか。いい映画ですね。 ところで、僕はこの映画の違うところが非常に気に入っています。 それは、いろいろなお客様(いろいろな神様ということですが)が訪れ、いろいろな従業員が忙しく働く、非常に雑然とした“油屋”の様子です。そこには、いろいろな異形の者がいて、非常に楽しく、観ていて飽きません。 でっかい大根のようなものが2本顔から突き出しているお客様や、大きなひよこの姿のお客様や、変な仮面を付けたお客様や、牛か鬼の姿のようなお客様が闊歩する中、女や男やカエルたちの従業員がせわしなく働いている、そんな雑然とした様子がとても好きなのです。 「スターウォーズ」の酒場のシーンや、ジャバ・ザ・ハットのアジトの様子、「メン・イン・ブラック」の秘密の空港のシーンなど、異形の者が、ウジャウジャといるシーンというのが、実は僕は大好きで、DVDなどを見ていると、思わず一時停止したりスロー再生したりして、スミからスミまで見たくなってきます。 そんな場面では、スタッフの遊び心が発揮されていて、実は物語の進行とは関係ないのですが、意外と面白い異形の者がいたりして、とても楽しいです。 そんなマニアックな心を楽しませてくれる面もあるこの映画です。僕の中ではジブリ映画のベスト5の中の1つです。(もちろんベスト1は「カリオストロの城」です。) 余談ですが、ハクが自分の本当の名前が分からず悩んでいるところで、「お前の本当の名前は塔矢アキラやろ!」と突っ込みを入れたのは、私だけでしょうか。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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