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カテゴリ:アクション
「コン・エアー」 CON AIR 1997年 アメリカ映画 監督 サイモン・ウェスト 出演 ニコラス・ケイジ ジョン・マルコヴィッチ ジョン・キューザック スティーヴ・ブシェミ ニコラス・ケイジ主演の、アクション映画です。これでもかとすごいアクションシーンが後から後から押し寄せてくる、ノンストップ・アクションです。 米陸軍レンジャー部隊を退官したキャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)は、妻と再会すべく、彼女が働いているバーにやってきました。 久々の再開で人目も気にせず抱擁していると、体格のいい3人の男が絡んできました。キャメロンは、ちょっとしたはずみで、その中のひとりを殺してしまいます。 キャメロンが刑務所に服役中、身ごもっていた妻は娘を産みました。 まだ見ぬ愛娘と会えることを夢見て、キャメロンは模範囚として服役し、8年後、やっと仮釈放を認められました。キャメロンは、凶悪犯専用の刑務所に送られる服役囚たちとともに、故郷アリゾナへ向かう“コン・エアー(囚人護送専用機)”に乗り込みます。 ところが、その機は、“猛毒のサイラス”こと凶悪知能犯サイラス・グリサム(ジョン・マルコヴィッチ)が仲間とともに、国外逃亡を計画している輸送機なのでした。 一緒に乗り込んだ刑務官などを殺したり拘束したりして、計画通り輸送機を乗っ取ったサイラスは、囚人たちを味方につけ、その用意周到な計画を進めていきます。 FBIの現場責任者として、輸送機を送り出した若き連邦保安官ヴィンス・ラーキン(ジョン・キューザック)は、サイラスの計画に気付き、元レンジャー部隊で仮釈放の身であるキャメロンは味方になると踏んで、何とかサイラスの計画を阻止できないかと奮闘します。 キャメロンも、サイラスの計画に乗ったふりをし、何とかその計画を阻止できないかと画策します。 なかなか見ごたえのあるアクション映画です。飛行機の中、中継地カーソン、また飛行機の中、サイラスの計画上の逃亡中継地・砂漠の中のラ-ナー飛行場、最後の不時着地ラスベガスなど、行く先々でいろいろなことが起こり、観客を退屈させません。 どうして賢いはずのライナスが明らかに怪しいキャメロンを疑わないのかとか、ラーナー飛行場が最初の出発地の刑務所から意外と近くにあり、ラーキンが車で先回りできているとか、若い連邦保安官のラーキンがクレーン車を動かせたり、消防車のホースから容易に水が出せたりするとか、最後キャメロンの妻子はどうやってラスベガスに来たのかとか、賢いはずのサイラスが、計画書をどうして刑務所に残してきたのかとか、凶暴犯ばかりのはずなのにキャメロンと仲良くなる、人のいい“ベイビー・O”がなぜいるのか、連続婦女暴行犯もいる中にどうして美人でセクシーな刑務官を配置しておくのかとか、周りにほとんど民家もなくスクラップばかりの砂漠の中の飛行場のそばで、なぜ小さな女の子が1人でままごとをしているのか、などなど、突っ込みどころはたくさんありますが、そんなことは気にならず、どんどん畳み掛けてくるアクションを単純に楽しんでしまいました。 これは、主役のニコラス・ケイジはもちろんのこと、ジョン・マルコヴィッチやジョン・キューザックなど、演技力が確かな役者を要所要所に配置しているからでしょうか。 ニコラス・ケイジの落ち武者風ロン毛(頭頂部はいつもの通り生え際がさびしいので、そう見えてしまいます。)が最初は非常に気になっていましたが、だんだんと「ダイ・ハード」のブルース・ウイルスを明らかに意識しているマッチョなランニング姿がかっこいいと思えてきますし、最初は頭でっかちな若造(もちろんいつもの童顔のせいもあるが)に見えていたジョン・キューザックが、だんだんと頼りがいのある男に見えてきます。 でも、なんといってもジョン・マルコヴィッチです。この人は、賢くてイカレている役が実によく似合います。用意周到な計画を立て、凶悪犯どもを見事に指揮し、邪魔者は容赦なく消し、使えると見たら意見を取り入れる、人を始末するときの冷徹な表情は見事で、まさに凶悪頭脳犯がぴったりの人です。 実はこの役、ブルース・ウイルスに決まりかけていたという話がありますが、ブルースではお世辞にも賢そうには見えないので、決まらなくてよかったです。 また、話の筋に全く関係なく、なんでこの人登場しているのだろうと思われるのが、明らかに「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターを意識した姿で登場した、37人も惨殺した連続殺人犯ガーランド・グリーン(スティーヴ・ブシェミ)です。途中のカーソンシティから乗り込んできたのですが、見るからに異常な光を放つ目をしており、常にほくそ笑んでいるその表情は不気味です。サイラスの計画には一切かかわらず、常に単独行動していますが、存在するだけで緊張感を呼び、とりわけラーナー飛行場で小さな女の子と2人きりになっている場面では、何が起こるのだろうと、ドキドキしてしまいました。異様な存在感です。 このスティーヴ・ブシェミという役者さん、いろいろな映画に脇役として登場していますが、その独特な容姿から、異常な男の役が似合う超個性派俳優さんです。 そんな、今はなきどこかのぽっと出の芸人さんが言っていたように、細かいことは気にせずに、単純に畳み掛けてくるアクションを楽しめばいい、アクション映画を紹介しました。 ところで、キャメロンが犯した犯罪、はっきり言って、腕のいい弁護士なら過失致死あるいは正当防衛、悪くても過剰防衛ですむんじゃないかと気になります。 ケンカを吹っ掛けてきたのは相手の方だし、凶器(ナイフ)を出してきたのも相手です。確かに軍人上がりで普通の人よりも戦闘能力が高いということもありますが、実刑で、しかも仮釈放まで8年かかっているということは、少なくとも10年以上の刑期ですよね。 アメリカの刑法というのは、こんなに厳しいものなのでしょうか。気になります。余計なことですが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.03.27 17:14:52
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