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カテゴリ:SF
「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3」Back to the future Part3 1990年 アメリカ映画 製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ 監督 ロバート・ゼメキス 出演 マイケル・J・フォックス クリストファー・ロイド メアリー・スティーンバージェン リー・トンプソン トーマス・F・ウィルソン お約束通り、今回はPART3です。 PART2の最後、雷に打たれて、時空に消えて行ったドク(クリストファー・ロイド)とデロリアン、土砂降りの雨の中、1955年に取り残されるマーティ(マイケル・J・フォックス)の場面から始まります。 雨のなか茫然と立ちすくむマーティの元に、近づく人物がひとり。それは郵便局員でした。彼は70年間保存されていた郵便を届けに来たのです。 それは1885年にいるドクからの手紙でした。 ドクは雷に打たれた衝撃で、1885年に飛ばされていたのです。自分は元気に暮らしているから、マーティは隠してあるデロリアンを掘りだし、修理して1985年に帰るように、と書いてありました。 1955年のドクに協力してもらい、デロリアンを鉱山から掘り出した時、マーティは“エメット・ブラウン”の墓石を発見してしまいます。その銘文によると、ドクは手紙の日付の1週間後、ビュフォード“マッド・ドッグ”タネン(ビフのご先祖・トーマス・F・ウィルソン)に撃たれて死ぬことになっていました。 ドクを救うため、1955年のドク(あーっ、ややこしい!)とデロリアンを修理し、マーティは西部開拓時代のヒル・バレーへ向かいます。 1885年へ着いた途端、ネイティブ・アメリカンの襲撃を受け、野生の熊に出会い、ガソリンタンクに穴が開き、仕方なく歩いて町へ向かうマーティですが、途中で力尽き倒れてしまいます。 マーティを救ったのは郊外の農場に住むシェイマス・マクフライ(もちろんマーティのご先祖・マイケル・J・フォックス)と、妻マギー(マーティの母ロレイン役のリー・トンプソン)でした。 マクフライ夫妻の手助けで、何とかヒル・バレーにたどり着いたマーティでしたが、いきなりビュフォード“マッド・ドッグ”タネンに出会い、怒らせてしまいます。殺されかかったところを助けたのは、ドクでした。 憧れだった西部開拓時代で、鍛冶屋として暮らしていたドクでしたが、マーティがやってきた経緯を聞き、未来へ帰ることにします。ところが、この時代ではガソリンが手に入らず、デロリアンを140km/hに加速できません。悩んだ挙句、蒸気機関車で押すことを思いつきます。 2人が蒸気機関車を奪う準備をしていると、女性が乗った馬車が暴走してきます。そのまま峡谷に転落して、峡谷の名前の由来になった女性、クララ・クレイトン(メアリー・スティーンバージェン)を助けたドクは、一目で恋に落ちてしまいます。 また、マーティは、祭りの夜、ビュフォードをまた怒らし、決闘をすることになってしまいます。 以上のように、話の本筋としては、蒸気機関車を使ってデロリアンを140km/hに加速させ、見事未来(1985年)へ帰ることができるかというところなのですが、そこにマーティとビュフォードの決闘、そして、ドクの恋愛がからんで、またハラハラドキドキの展開で、またまたギリギリのところで成功できるのです。 そのギリギリ成功していく話の展開は、相変わらず見事ですが、やはり今回の見どころは、ドクの恋愛でしょう。 思うに、夢を見続けて変な研究に明け暮れていたドクの長い人生(推定60年以上)で、初めての恋愛なのではないでしょうか。まるで中学生のような非常に純な恋愛です。 夜、満天の星空のもと、語り合う2人(内容はジュール・ヴェルヌ)、クララから手渡された手摘みの花を大切にし、ポケットから出して香りをかぐドク、そして未来に帰ることを打ち明け、作り話だとふられたドクの落ち込みよう、はっきり言って思いっきりおっさんのドクが、非常に純粋で、かわいいのです。 そして、相手のクララも、キラキラした目でドクを見つめ、非常に恋する乙女です。いったんはドクをふり、町を出て行こうとするクララですが、酒場で落ち込むドクの様子を立ち聞きし、彼の純粋さにキュンときて、ドクを追って暴走する機関車に乗り込むのです。 クララもその当時では珍しい職業女性(教師としてヒル・バレーに赴任してきた。)で、婚期を逃してしまったのでしょうか、はっきり言っておばさんといってもいい年配です。 そんな2人の純な恋愛が非常に面白い物語です。 それから、やはり、お約束や、時代のギャップを絡めた楽屋オチ的ギャグが満載なのは相変わらずです。 寝ているマーティを起こすのはいつも母ロレインの声(PART1では高校生のロレイン、PART2ではビフと再婚させられグラマーになったロレイン、そしてここではご先祖のシェイマスの妻マギーです。)、“チキン”となじられてカッとなるマーティ(実はこれってPART1には、なかったんですね。)、タネンにマクフライと呼ばれて同時に振り返るマーティとシェイマス(PART1ではマーティとジョージ、PART2ではマーティとJr. )、1955年でネイティヴ・アメリカンの絵の看板に突っ込む形で加速し、時空を超えたら、本当にネイティヴ・アメリカンの一団が目の前に、パイ皿をフリスビーのように投げるマーティ、馬でデロリアンを引くマーティとドク、名前を聞かれてとっさにクリント・イーストウッドと答えるマーティ(おかげでクララが落下してクレイトン峡谷となるはずだった谷はイーストウッド峡谷になります。)、などなど、楽しい限りです。 そんな西部劇として、恋愛物語として、そしてSFコメディとして、楽しさにあふれる、シリーズの完結編です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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