2785344 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

勝手に映画批評

勝手に映画批評

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

クロサウルス

クロサウルス

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

あのですね@ Re[1]:スター・ウォーズ/最後のジェダイ(12/29) 王島将春さんへ エゼキエル書が書かれた当…
池永真義@ Re:バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(04/04) 映画批評、拝読しました。 私も学生時代…
仲嶺亜也菜@ Re:許されざる者(01/15) 仲嶺亜也菜 鶴田葵
今更ブログを見に来た男@ Re:宇宙兄弟(03/17) めちゃくちゃ同意しますね。本当に映画は…
背番号のないエースG@ Re:チャーリーとチョコレート工場(05/31) 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…

Category

Recent Posts

2012.05.28
XML
カテゴリ:アニメ
アリエッティ1

「借りぐらしのアリエッティ」 2010年 日本映画
 
企画・脚本 宮崎駿
監督 米林宏昌
声の出演 志田未来 神木隆之介 大竹しのぶ 三浦友和 竹下景子 樹木希林 藤原竜也

 皆さんご存知、スタジオジブリのアニメです。
 「もののけ姫」が空前のヒットを飛ばし、「千と千尋の神隠し」が米アカデミー長編アニメ賞を取って以来、とにかくジブリアニメは、作品の出来不出来にかかわりなくヒットするという状態が続いておりまして困ったものです。僕は、「ゲド戦記」を劇場で見て、がっかりして以来、いくらジブリといえども、内容をよく考えてみなければと思って、よく考えて観るようにしています。(なので、最新作「コクリコ坂から」は観ていません。)
 ということで、この映画も、そこそこヒットした映画です。はたしてそのヒットに値する映画なのでしょうか、と思い、観てみました。

 母親の海外出張と、持病の心臓病の治療・手術のため、12歳の翔(神木隆之介)は、田舎の大叔母・貞子(竹下景子)の家に引っ越してきました。
 その家の床下には、14歳のアリエッティ(志田未来)とその両親(三浦友和・大竹しのぶ)の、小人の家族が暮らしていました。彼らは、「借り」と称し、人間の物を拝借し生活に役立てていましたが、人間に見つかることを非常に恐れていました。
 ある夜、アリエッティは14歳になったお祝いで、父に連れられ、初めて「借り」に出かけました。ところが、アリエッティは翔に見つかってしまいます。

 全編94分のお話、あらすじはここまでで、すでに、40分ほどです。
 非常に絵が丁寧に描かれていて、この田舎の貞子の家の内部の様子、庭の描写、アリエッティたち小人の家の描写など、細部にわたって心くばりがされ、非常に細かく美しく描写されています。そんな描写を丁寧に見せていくためか、非常にスローテンポでお話が進んで行き、実は内容がほとんどありません。
 事件としても、この後、アリエッティの母親がお手伝いのハルさん(樹木希林)につかまってしまうくらいで、その事件も、アリエッティが翔の手助けで、あっさりと見つけてしまったほどで、結構簡単に解決してしまいます。
 そして、その後、アリエッティ一家は同じ小人のスピラー(藤原竜也)という少年の手引きで、引っ越すこととなり、アリエッティは翔に別れを告げて去って行っておしまいです。(でも、小人たちのサイズを考えると、せいぜい3軒ぐらい離れた家に引っ越すのが精いっぱいでしょうから、翔はアリエッティに会おうと思えば、結構簡単に会えると思いますが。)
 しかし、僕は思いました。この後の引越しの旅こそ、見ごたえのある大冒険になるのではないか、ということです。
 かつて、「ミクロキッズ」というアメリカ映画がありました。ある科学者のへんな発明で、子どもたち(と言っても小学校高学年から中学生ぐらいですが、)が、肉眼では見ることが難しいぐらい小さくなってしまい、自宅の庭(彼らにとっては広大なジャングル)で昆虫と戦い、大洪水(実はスプリンクラーの水)に苦しみ、家の中にいる変な科学者(子どもたちの中の何人かの父親)の元までたどり着くという、大冒険をするお話です。
 アリエッティたち小人にとっては、ネズミやスズメなどの小動物が戦うべき敵になり、猫や犬に至っては、即逃げなければならない怪物です。人間にとっては、ほんのお散歩程度の道のりが、彼らにとっては、何日もかかる大冒険になるはずです。
 そんな大冒険を前にして、“はい、おしまいです。”では、そりゃあ、“内容がないよう”というお話になってしまうでしょう。非常に残念でした。

アリエッティ2

 後、この映画を見て気になったことが2点あるので、述べさせていただきます。
 まずひとつ目は、アリエッティの母親を捕まえてしまう、お手伝いのハルさんについてです。
 彼女は、お手伝いとしてこの家で長年暮らしているうち、何度か小人を目撃しており、いつか捕まえてやろうと思っていたようです。
 ということで、その後どうするかということは深く考えず、母親を捕まえて、ビンに入れ、ラップでふたをしてしまいます。一応窒息して死なない様に、ラップにいくつか穴をあけて。
 どうやら彼女は、小人を捕まえて、見世物にしたり、博物館に売ったりして、ひと儲けしようとまでは考えていないようで、とりあえず、人に見せて自慢したいという程度のことかと思います。
 こういうことって、実は我々よくやりますよね。なんかわからないけど、あまり見ない虫を捕まえたので、とりあえずビンなどに入れておき、数日後見たら死んでいた、ということ。その虫の生育環境や、エサ、生態などがわからないが故に、結局死なせてしまうということ。
 こういう行為が、実は、地球の歴史上かつてないほどのハイスピードで、現在起こっている、生物の大量絶滅につながっているということを、我々は肝に銘じなければならないでしょう。
 人類が地球上に大増殖を始めて1万年余り、地球の歴史上、例がないほどのハイスピードで、大量の生物が絶滅していっているという事実をご存知でしょうか。(皆さんよく知っている古生代末、6,500万年前の大絶滅でさえ、何十万年、何百万年という時間がかかっています。)
 食料のためであったり、好奇心のためであったり、娯楽のためであったり、間違った知識の為であったり、その理由は様々ですが、人類はかつてない勢いで、生態をよく知らない生物を狩り、開発という名のもとにその住処を奪い、絶滅させてきているのです。
 もちろん、宮崎駿さんをはじめとするスタッフの皆さんは、そんなところまで考えて、作品を作ってはいないでしょう。はっきり言って、僕の考えが飛躍しすぎているのかもしれませんが、そんなことを思ってしまいました。

アリエッティ3

 もうひとつ思ったのは、アリエッティたち小人が、「借り」と称している行為についてです。
 小人たちは、クリップ(予告編を見ている限りでは洗濯バサミかと思いましたが、サイズを見るともっと小さいクリップですね。)を髪止めにしたり、待ち針を剣のように使ったり、定規を使って壁の中に通路を作ったり、砂糖やティッシュなどの消耗品を拝借したり、と「借り」と称して、人間のいろいろな小物をいただいて生活しています。つまり題名にある「借りぐらし」ということです。
 しかし、これは「借り」でしょうか。「盗み」なのではないでしょうか?
「借り」というのは、その後「返す」ことを前提に成立する行為です。後で、「返す」という意思がなければ、それは「借り」ではなく「盗み」です。
実際、引越ししようとしているアリエッティ一家は、「借り」たいろいろなものを、家を替えるにあたって、返そうとはしていません。どう考えても、アリエッティ一家は、いろいろな小物を、人間の家から「盗ん」で生活していたのです。
 物が小物ならば、「借り」ても、返さなくてもいいものでしょうか。
 こんな「盗み」を「借り」と称して、平気で行っている物語、子どもたちに見せていいのでしょうか。
 友だちの本や文房具やゲームなどを借りて返さない、文房具屋や本屋やコンビニで平気で万引きをする、図書館の本やレンタルビデオを返さずに平気でいる、駅前の自転車を平気で盗む、公民館などにある傘を借りて返さない、そういう行為につながる考え方ではないでしょうか。
 頭が固いと言われるかもしれませんが、いつも環境問題や道徳的なところをテーマに掲げているジブリ作品としては、いかがなものかと思ってしまいました。

 カラスの羽ばたきの風圧でアリエッティが飛ばされそうになったり、普通サイズではあり得ないくらい少量のため表面張力が強くなるという水やお茶の描写など、非常に細かいところの描写にも気を配っているスタッフなので、もっと考えてほしかったなあ、と思っています。

 また、毎回ジブリ作品の時には語っていることですが、今回登場人物が少ないということもありますが、プロの声優さんが0で、すべて、実写の役者さんたちが声の出演をされています。
 たまたま今回は、上手な方々ばかりでしたので、「トトロ」のお父さんのような違和感はありませんでした。しかし、どうにかならんものですかね。

 以上、ジブリ作品でも、いまいちなものもあるよ、というお話でした。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.05.28 06:50:51
コメント(3) | コメントを書く
[アニメ] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X