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2012.12.03
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カテゴリ:歴史
英国王1

「英国王のスピーチ」 The king’s Speech 2010年 イギリス映画

監督 トム・フーパー
出演 コリン・ファース  ヘレナ・ボナム=カーター ジェフリー・ラッシュ

 昨年2月の第83回アカデミー賞で、前評判の高かった「ソーシャル・ネットワーク」を抑え、主要4部門(作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞)をかっさらっていって、話題になった映画です。
 実在のイギリス国王ジョージ6世(現女王エリザベス2世の父親)が、平民の言語療法士との交流を通して、吃音症を克服していく様子を描いた感動作です。

 大英帝国博覧会閉会式で、ヨーク公アルバート王子(コリン・ファース)はエリザベス妃(ヘレナ・ボナム=カーター)に見守られ、父王ジョージ5世の代理として演説を行っていました。 しかし、吃音症のために悲惨な結果に終わり、聴衆も落胆することになってしまいます
 エリザベスはアルバートを説得して、言語療法士であるオーストラリア出身のライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)のロンドンのオフィスをともに訪れます。
 独自の手法で第一次世界大戦の戦闘神経症に苦しむ元兵士たちを治療してきたローグは、王室に対する礼儀作法に反してアルバートを愛称のバーティーで呼びつけ、自身のことはローグ先生ではなくライオネルと呼ばせます。
 ローグの無作法に反発し帰りかけたアルバートに、ローグはシェイクスピアの『ハムレット』の台詞を朗読できるかどうか、賭けを持ちかけます。ローグは音楽が流れるヘッドホンをつけさせ、アルバートには自身の声が聞こえない状態でその声をレコードに録音すします。途中で腹を立てて帰ろうとするアルバート王子にローグは録音したばかりのレコードを渡しました。
 クリスマス恒例のラジオ中継の後、父王ジョージ5世は、アルバートの兄に当たる王太子デイヴィッド王子は次期国王に不適格であり、アルバート王子が王族の責務をこなせるようにならねばならないと語っています。
 帰邸後、アルバート王子はローグから受け取ったレコードを聴き、自分の滑らかな発声に驚きます。
 王子はローグのもとを再び訪れ、口の筋肉をリラックスさせる練習や、呼吸の訓練、発音の練習などを繰り返し行っていく中、アルバートはローグに吃音症の原因となった自身の不遇な生い立ちを打ち明け、2人の間に友情が芽生えていきます。
 1936年1月、ジョージ5世が崩御し、デイヴィッド王子が“エドワード8世”として国王に即位します。しかし新王は、アメリカ人で離婚歴があり、まだ2番目の夫と婚姻関係にあるウォリス・シンプソン夫人と結婚することを望んでいたので、王室に大きな問題が起こるのは明白でありました。
 その年のクリスマス、アルバート王子夫妻はバルモラル城で行われたパーティで、国王とシンプソン夫人の下品な姿を目の当たりにします。見かねたアルバート王子が兄王に、英国国教会の長でもあるエドワード8世は離婚歴のある女性とは結婚できないことを指摘すると、王は吃音症治療は王位ほしさからなのかと責め、彼の吃音をからかいます。
 エドワード8世の醜聞を聞き出したローグは、代わりに即位するべきだとアルバートを説得するが、王子はそれは反逆罪に当たるとローグの元から去ってしまうのです。
 しかし、結局、エドワード8世は、ウォリスとの結婚を諦めきれず、即位して1年も満たないうちに退位し、アルバート王子が“ジョージ6世”として即位することになってしまうのです。

英国王2

 時代的には、ドイツではヒトラーが、ソ連ではスターリンが台頭してきており、否応ながら第2次世界大戦に突入していくという、激動の時代になるわけで、その中で、実在したイギリスの王を主人公としているのですが、そんな世界的な危機は、若干におわせつつも、ジョージ6世の吃音治療(人間的成長?)のみに焦点を当て、ちょっとホロっとさせる小品といった感じで、うまくまとめられています。
 米アカデミー賞の脚本賞を受賞していることからもわかる通り、脚本の出来がいいなあというのは感じましたが、僕はやはり、主役3人の演技が素晴らしいと思いました。

 主人公ジョージ6世(アルバート王子)を演じたコリン・ファースは、気が弱くあがり症で、人前で話をすると、つい吃音になってしまうという、いい人なんだけど、王としてはちょっと頼りないという男を実にリアルに好演しています。
 しかも、物語が進んでいくにつれて、ローグの治療のかいもあって、徐々に自分自身に自信を持てるようになっていき、即位してからは、国王としての貫録がにじみ出てくるようになっていくところ、自然な感じで素晴らしかったです。

 アルバート王子の妃エリザベス役のヘレナ・ボナム=カーターは、このブログをずーっと見ている方はお分かりかと思いますが、僕のお気に入りの女優さんのひとりで、わがままな女王から、優しい母親まで、本当に様々な役をこなしている(どこかしら変な悪女の役が多いとは思いますが。)名脇役ですが、今回は、控えめながら悩める夫を支える妻の役を、地味ですが好演しています。

 王子の吃音を治療する言語療法士ライオネル・ローグ役のジェフリー・ラッシュという人、どこかで見たことがあるなあ、と思っていたら、何かとジャック・スパロウにライバル心を燃やしている、キャプテン・バルボッサでした。
 口を開くと皮肉ばかりの、自信家でプライドの高い海賊の親玉から、知的な紳士ですが、相手が王子といえども自分の信念は曲げない、実はシェイクスピアを崇拝する役者志望の男を、熱演していました。いつもしかめっ面している海賊とは違い、温和な表情をしていることが多かったので、すぐには分かりませんでしたが、特徴的な鼻から、「ああっ」と思った次第です。そのふり幅の大きさに脱帽です。

英国王3

 ほかにも、チャーチル役のペティグリューや、父王ジョージ5世役のダンブルドアなど、ハリポタ組も顔を見せていましたね。(イギリス人俳優を集めてくると、どうしても何人かは、ハリポタ組になってしまうのでしょう。)
 また、子どもの頃のエリザベス2世が、しっかりした聡明な子に描かれているのも発見しましたよ。

 ということで、作品賞という点では若干疑問は残りますが、意外と軽い気持ちで鑑賞でき、「いい話やなあ。」と、ちょっとした感動を得られる、小品を今回は紹介しました。(ちなみに作品賞は、チャールズ皇太子御成婚記念だという噂があるようです。)





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Last updated  2012.12.03 06:34:42
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