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カテゴリ:サスペンス
「その男は、静かな隣人」 He was a quiet man 2007年 アメリカ映画 監督 フランク・A・カペロ 主演 クリスチャン・スレーター さて、恒例の無名映画紹介コーナーとまいりましょう。 中年会社員のボブ(クリスチャン・スレーター)はダメ社員の典型で,年下の上司にこき使われる毎日でした。与えられる仕事と言えばつまらないデータチェックだけ。家に帰っても話す相手は金魚だけです。そんな彼は会社の机の中に拳銃を隠し持っていて,弾を込めながら「1発目はおべっか野郎,2発目は嫌な上司,3発目は・・・」と日々夢想していました。 ある日、彼の不満がいよいよ爆発するぞというその時,オフィスで銃声が響き,次々と人が倒れていきます。銃を撃ったのはボブの同僚で,日ごろの不満をついに爆発させたのでした。そしてその男が銃弾を受けてもまだ息がある社長秘書のバネッサにとどめを刺そうとしているのを見たボブは、彼に銃弾を撃ち込み射殺します。バネッサは一命を取り留めますが,脊髄が損傷され,意識はあるものの四肢麻痺になってしまいます。 翌日出社したボブは,勇敢に立ち向かった男として一躍ヒーローとなり,社長は彼を副社長に抜擢し,彼をバカにしていた若手上司はおべっかを使ってきます。 ボブはバネッサを見舞いますが,「こんな障害を負って生きていけっていうの? 生き地獄よ。なぜあの時助けたの。」と罵声を浴びせられます。そして、自殺の手助けをするように懇願されます。 ところが、かねてからバネッサの笑顔に魅せられ、密かにあこがれていたボブは、寸でのところで実行できません。優柔不断な彼に、感情を爆発させるバネッサ。その時、彼女の右手の小指がかすかに動きます。医者に「回復の兆しかも。」と言われたボブは、彼女の世話をすることを決意します。 結論から言いますと、なかなか楽しめました。すごく感動するとか、涙が止まらないとか、ということはありませんが、まあ、ちょっと佳作という感じでしょうか。 気が弱くおとなしく、仕事もできないダメダメ社員、頭部が寂しくなってきた容姿もさえない男が、ちょっとした偶然で、優遇された地位と、自分の力に頼りきっている美しい女を手に入れ、人生が超好転するという物語です。「えっ、そんなお話でいいの???」と思っていたら、ラストはどんでん返しが待っていました。 よく考えたら、いろいろと伏線もあったんですね。詳しく述べてしまうとつまらないと思いますので、ちょっとヒントだけ、金魚と爆発するビルに注目といったところでしょうか。ああ、ボブとバネッサの関係性も考えてくださいね。 主演のクリスチャン・スレーターという人、どこかで見たことがあるなあ、と思っていたら、「インビジブル2」の主演の人でした。そう、軍の策略で透明人間にさせられ、大変なことになってしまうゲスな兵士を演じていた、見るからに悪そうな顔をした役者さんでした。調べてみたら、そのいかにもな顔を利用して、ちょい悪な役を中心に、いろいろな映画に出演している結構なベテラン俳優でした。若いころは結構ちょい悪なイケメンで売ってた感じですね。そうそう、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」でも、ブラピ演じる現代のヴァンパイアにインタビューするジャーナリストという出番は少ないけど重要な役を演じていましたね。 なんとこの映画、「インビジブル2」と同年公開なんですね。ということはあのゲスな兵士と、今回のさえないダメダメ中年男の役、同時期に演じていたということですね。すごいふり幅ですね。 なるほど、最近助演したTVシリーズでゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞しているのも納得です。いいですね、こういう味のある個性派の名脇役って、好きですよ。 ということで、ちょっとした佳作で、また1人自分好みの名脇役(今回は主役だけど)を見つけてしまったというお話でした。 しかし、詳しく述べるのはやめておきますが、女性って、このバネッサみたいにみんなしたたかなんでしょうか。ちょっと怖いですけど、一度お世話になってみたい気はしますね。(「何言ってんだ、お前!!!」と、セルフツッコミしておきましょう。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.07.26 08:58:16
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