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2016.10.26
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カテゴリ:時代劇


「一命」 2011年 日本映画

 監督 三池崇史

出演 市川海老蔵 瑛太 満島ひかり 役所広司 竹中直人 青木崇高 波岡一喜

  今はまっているマンガの1つに、成田美名子先生の「花よりも花の如く」があります。

 成田美名子先生は、「あいつ」「ミキ&ユーティ」(今のファンの人にはわからないでしょうね。「エイリアン通り」「CIPHER」ならわかるかな?)の頃からのファンで、連載作をずーっと追って、単行本を購読しています。

 現在連載中の「花よりも花の如く」の主人公、榊原憲人(正しい読みは“のりと”なのですが、周りの人々は“けんと”と呼んでいます。)は、能楽師です。日本の伝統芸能である能の世界とそれをめぐる人々のドラマを描いています。

 前作「NATURAL」の脇役榊原西門(“サイモン”と読みます。この兄弟、父方の実家が神社、母方が能楽師という家なのですが、なぜか名前は外国風です。)が憲人の弟ということで、その番外編的な始まり方(「花よりも花の如く」の第1話は短編で、「NATURAL」の最終巻に入っています。)から、続きで読み始めました。はっきり言って、能の世界って、今までの僕の人生の中で全く接点がなく、全くの無知だったのですが、成田先生独特の巧みなドラマの作り方にはまってしまって、ずーっと楽しく読み続けています。(いまだに能の世界は全く知らないんですけどね。)

 その中で、主人公の能楽師榊原憲人のもとに、TVドラマの話が来ます。能楽師の役なので本物の能楽師に、ということで出演依頼が来るわけですが、同じ芸能の世界に生きる者ですが、TVドラマなど全く門外漢の自分のところになぜ?と憲人が思っていると、プロデューサーが、一本のDVDを持ってきます。それが仲代達也主演の「切腹」という映画です。話によると、殺陣に真剣を使っていて、その迫力が半端ないというのです。つまり、このドラマの能楽師にも本物の迫力がほしいということなのでしょう。ということで憲人は説得されてドラマに出演することになります。(その撮影の様子から、出来上がったドラマまで、マンガの中でしっかり描かれています。)

 その半端ない迫力の真剣の殺陣の映画「切腹」、観たいなあと思っていたら、三池崇史監督、市川海老蔵主演でリメイクされたというではありませんか、ということで、さっそく観てみました。

  江戸時代初頭、大名の御家取り潰しが相次ぎ、生活に困った浪人たちの間で狂言切腹というものが流行していました。

 井伊家の江戸屋敷に津雲半四郎(市川海老蔵)と名乗る浪人が、切腹を願い出てきます。家老・斎藤勘解由(役所広司)は、数ヶ月前にも同じように訪ねてきた若浪人・千々岩求女(瑛太)の、狂言切腹の顛末を語り始めます。武士の命である刀を竹光に変え、恥も外聞もなく切腹を願い出てきた若浪人の無様な最期を……


 


 真剣ではありませんでしたが(というか、絶対にありえません。詳しくは秘密。)、クライマックスでの海老蔵の殺陣、見事でした。ということで、オリジナルとは話が変わっているわけなのですが、それはそれで納得のお話なので、感動しました。この海老蔵の殺陣はもちろん、その得意の眼力を生かした演技見事でした。

 そして、もう1人の主演、瑛太も、ド迫力(はっきり言って非常にグロテスクです。血が苦手な人は気持ち悪くなるかも。)の切腹シーン、すごいです。そして彼のまじめでやさしい好青年ぶり、観た女性はみんな心を奪われてしまうでしょうね。

 主役2人の迫真の演技もすごいのですが、それ以上に巧な演技を見せてくれるのが、幼馴染の千々岩求女の妻となる津雲半四郎の娘、美穂を演じる満島ひかりです。貧困のどん底にいながら家事に内職に頑張り、病気になりながらも、夫を心から愛しているのがひしひしと伝わってきて、思わず目頭が熱くなってきます。とりわけ、終盤のまんじゅうを食べる画面(詳しくは秘密)、すごいと思いました。

 この子、「悪人」の時は、わがままで空気の読めない殺される女の役で、確かフォルダー5にいた子だよなあ程度で、あんまり気に留めていなかったんですが、最近その巧みな演技力が注目されてきていますね。(弟はちょっとチャラいけどね。)

 後、役所広司は主役ではないのであまり目立ってはいませんでしたが、面倒ごとを煙たがっているのを控えめに演じていましたし、求女に切腹を強要する意地悪な井伊家家臣を演じる青木崇高も悪役に徹していてよかったですね。

 考えてみれば「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に匹敵する救いのない悲劇なんですが、役者陣の巧みな演技で、涙なしではいられない、見ごたえのあるドラマが形作られていました。

 ただ、井伊家の家臣で家老の副官的な役、竹中直人は単なるイエスマンで、彼のアクの強さを全く発揮できていなかったし、青木と一緒に求女に意地悪する井伊家家臣役の浪岡一喜も、ちょっとおとなしめの演技で、いつものクレイジーさが全くなく、非常に残念でした。


 


 ということで、真剣の迫力は見られませんでしたが、別の意味で、見ごたえのある作品を鑑賞することができ、それはそれで満足でした、というお話でした。

 で、オリジナルの方の「切腹」がやっぱり観たくなってきてしてしまいました。レンタル屋で探してみなければ。







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Last updated  2016.10.27 00:00:51
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