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2017.07.06
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カテゴリ:SF



「オデッセイ」 
The Martian 2015年 アメリカ映画

 

監督 リドリー・スコット

主演 マット・デイモン ジェシカ・チャスティン

 キウェテル・イジョフォー ショーン・ビーン

 

 前回のディカプリオにオスカーをさらわれたのが、本作のマット・デイモンです。最近流行りの取り残され系SFです。

 

火星探索チーム・アレス3のクルーたちが土壌分析の調査をしている最中、大規模な砂嵐が到来します。巻き込まれると危険だと判断したメリッサ船長(ジェシカ・チャスティン)は、任務を中止して火星から離陸することを決断しました。

 ところが退避の途中、植物学者のマーク・ワトニー(マット・デイモン)に飛来物が当たり、倒れてしまいます。メリッサ船長はぎりぎりまでマークの救助を試みましたが、視界が悪く、赤外線もきかない中、生存が絶望的だと判断しMAV(火星上昇機)に乗り、探査船ヘルメス号に移って帰還し始めました。

地球でもマークの生存は絶望的とみなされ、NASAは、マークの死を公式に発表します。

しかし、マークは生存していました。通信用アンテナが脇腹に刺さっていたのですが、出血した血液が宇宙服の隙間で凝固したため、助かったのです。

砂嵐が去った後、目を覚ましたマークは、居住ユニットに戻り、自分で脇腹の施術をし、前向きに考えました。4年後、次のクルーがやってくるまで、できるかぎりのことをやってみようと思ったのです。

生き残るために必要な物資を物色していると、生のジャガイモの真空パックを見つけました。トイレに残されていた排泄物がパックを肥料にして、土を運び込んで温室を作り、ジャガイモの栽培を始めました。

その頃NASAではマークの遺体をどうするかと話題になっていましたが、火星の表面の観測していた衛星交信担当の女性ミンディが、地表に動くものがあることを発見します。


 

 「ゼロ・グラビディ」や「インターステラー」など、最近の宇宙探査系SFは、リアリティの高いものが流行りですね。まさにScience Fictionですね。(でも、SFの意味を“奇想天外な物語”という意味でとらえている、かわいそうな人々も時々いますが。)

 そんな中、本作のリアリティは群を抜いています。それはそうです、この作品は、NASA全面協力で作られているからです。そうです、あの「ゼロ・グラビディ」のでたらめさに激怒したと言われる、アメリカ航空宇宙局(NASA)がです。

 NASA監修で何が一番違うかというと、細かい部分はある程度知識がないとわからないのですが、誰もが感じる違いというと、宇宙飛行士たちの冷静さでしょうかね。

 マークは意識を取り戻して、自分が火星に取り残された事実を認識し、最初にしたことは、自分の傷の手当です。自分の脇腹に刺さっているアンテナの切れ端を取り除き、自ら縫合をします。(まるでブラックジャックみたいですね。ブラックジャックはたとえ荒野のど真ん中であっても、ビニール製の簡易無菌室を膨らませて、自分のおなかの手術をします。)そして、基地内に残されているものをすべてチェックし、自身の生存に必要なものを洗い出していきます。特に、食料のチェックは重要ですね。実はまだアレス3のミッションは始まったばかりで、30日分×6人近い食料が残されていました。そして、真空パックされた生のジャガイモを発見し、それを栽培して、4年後(次のアレス4がやってくる時)まで生存することに挑戦する道を選ぶのです。

 また、メリッサ船長も、砂嵐の中事故にあったマークをいったんは捜索に出ますが、尋常じゃない砂嵐のおかげで倒れ掛かっているMAVが発射可能な限度が迫っているため、生存の可能性の低いマークを救うよりも、残った5人(自分を含めて)を救う方が大切と瞬時に判断し、MAVに戻ります。

 NASAによると、宇宙飛行士は、いかなる困難な状況に置かれても、慌てず冷静でいられる訓練を行っているそうで、瞬時に状況を判断し、最善の行動をとることができるそうです。そういえばヒビトも月面で遭難したとき、非常に冷静でした。

 性格的な問題もあるのでしょうが、地球から現在可能な宇宙船で行くと半年以上かかる(宇宙はなんて広大なんでしょう。)、すぐ隣の兄弟惑星火星に取り残されたマークは、冷静を通り越したポジティブさで、冗談を言ったり、趣味が悪いと言いながら船長(年齢的にはおばさん)の残していったディスコ音楽を掛けたりしながら、サバイバルしていきます。

どうも、この辺がついていけないという感想を述べている方々も多いみたいですが、取り乱したり、落ち込んだりするよりも、宇宙飛行士としてのリアリティを感じ、僕は非常に好感を持ちました。(温室が壊れて、平均気温-43度という火星の大気にさらされ、ジャガイモが全滅したときは、さすがに取り乱していましたが。)

 

 後、僕が気にいったのは、地球のスタッフの奮闘ぶりです。「アポロ13」の時もそうでしたが、方策を練ったり、軌道計算したり、シミュレーションしたり、地球のスタッフは遭難した宇宙飛行士を地球へ生還させるために、考えられる限りのあらゆることをしようとします。「アポロ13」ではむしろ地球の方の動きの方が物語のメインでした。何しろ距離が近く時間がないので、そのバタバタぶりが見どころでもありました。

 火星探査統括責任者のカプーア(キウェテル・イジョフォー)を中心に、マークを救助するための方策を模索続けます。このカプーア統括責任者の熱い仕事ぶり、非常に印象に残ります。このキウェテル・イジョフォーという人、米アカデミー賞作品賞受賞作「それでも夜は明ける」の主演の人です。なるほど。

 また、何かとリスクの少ない方策を選ぼうとするサンダース長官(まあ、最高責任者としては当然と言えば当然か?)に反抗して、結局はマークの救助を成功させる(そうなることは明らかなので結末に関わることですが、書いてしまいました。)こととなる、フライトディレクター・ミッチ・ヘンダーソン(ショーン・ビーン)も、いい味を出していましたね。見た目通りの悪役を演じていることが多い彼(何しろ、「よく死ぬ映画俳優トップ10」の第1位ですから。)ですが、今回はおいしい役でしたね。


 

 ということで、宇宙を舞台にした壮大な物語ですが、最後は結構アナクロい結果でドキドキしてしまった(詳しくは秘密)、理系男子好みの映画を今回は紹介しました。

 しかし、ビニールシートとガムテープって最強なんですね。






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Last updated  2017.07.06 17:18:38
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