私の気分が上がるとき
私の気分が上がるときは朝が早い。それは朝食。 納豆がきまると気分が上がる。 私は手先がとても器用で、めったに失敗しない。しかし、朝の忙しいときは気ぜわしさが器用さを上回り、失敗が多くなる。 納豆のパックを荒々しく開けると、発泡スチロールのフタがとれずに容器のほうが破壊してしまう。フタと容器の部分はミシン目になっているのだけれど、力の方向が少し狂うとこういうことになる。 ビリッ!・・・チッ! それでも、残った容器の部分で納豆を箸でかき混ぜる。しかし、容器が破壊されたことによるショックからさらに手元がくるう。狂いだしていく。容器を持って中身をかき混ぜていると、箸にボール状に、まとまった納豆が付着し、それが容器から分離してしまう。 右手に大きめの団子を箸で突き刺したものを持ち、左手にお椀をもっているといった格好になる。混ぜることができない。 ここで、さらに精神の混乱が深まる。 なんとかボールをカップに戻し、作業を続行する。100回ほど嘆きつつかきまぜたところで、タレのパックを開き中身を垂らす。 ふぃー。あとはカラシを入れるだけだ。 が、どこをどうしたものかカラシの黄色い小さなパックがない!ここでテンションマックスとなる。手が震えて、雑な動作から味噌汁をこぼしてしまう。 ああ! と、こういうことになることがあるのだけれど、うまいこといき、あつあつのご飯の上に上手にでき上がるとうれしい。ご飯の上にある納豆を見るとき、私の気分は上がる。 おしまい ※カラシのパックは後日、ほぼ100%、コタツの中から出てくる。 ※目の前でイブニングライズされると、器用であるはずの手が思うように動かず、毛ばりがうまく結べない。 ※サンドイッチとビールばかりの食事ではこういうことは起こらない。食事を感情丸出しで行う。いいかもしれない。 ※制服の思い出。冬。会社にはプレス用の作業着(制服)がある。会社で着替えるのは面倒くさいので、いつも制服の上にジャンパーを着て出勤している。忙しい朝のとき、会社でジャンパーを脱ぐとパジャマだった!寝ぼけて、制服を着てくるのを忘れた! でも、接客業でもない機械仕事なのでなんとなく一日過ごせた。いい会社に入れて幸せだ。パジャマは汚れてしまったけれど。