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酷く懐かしい夢を見た
足先も指先も冷えきっていて 疲労困憊のなかで微睡みながら うつらうつらと浅い眠りに落ちたとき 夕焼けの和室で窓の外を二人で眺めていた お気に入りだった悲しい歌が 流れていた 終わりのないような空に 届かない想いを馳せて乗せたような 決して叶うことのない永遠が 詰まっていた 目が覚めたら泣いていた もう戻ることはできないから 時を巻いて戻す術はどこにもないのだから 終わらせることも始まらせることも 出来るだろうが 今の俺にはそんな余力もない きっとこのまま心だけがあの日に囚われたまま 俺だけが過去の檻に閉じ込められて 檻の外の君に手を伸ばしているんだろう 出窓から差し込む冷たい夕陽が やはり悲しくて 声も出さずに涙だけが伝い続けた 俺はきっと君しか愛せないんだろう けれど君は違う 幸せになれる だからもう俺達は元には戻れない 振り返らずに進んでくれ もう関わらないでくれ この想いを捨てるには あまりに時間がかかりそうだから 胸に空いた真っ黒な穴は 何も埋めることはできないから だから、せめて 君だけは幸せになってくれ 俺はもう長くは生きられない 病が進むにつれて 気まで弱くなったみたいだ 今は独りうつろぐ季節を窓から眺めて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/02/04 02:13:20 AM
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