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埋もれ火のアンソロジー

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2011.05.12
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カテゴリ:あの頃の話
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第六話 かすみとの出逢い




黒沼教官は

ぼくの無知ぶりにあきれたのか立腹されたのか

毎日毎日

前進したら、次は後進の練習を

繰り返すだけの日々だった。

ぼくはぼくで

それで順調に上達してるという実感があった。



だが、

しかし、

BUT!

ほかの連中は

すでに八の字のひょうたんみたいな道を

おもしろそうに走っているのに

ぼくだけは

「前進」

「次、後進」

黒沼教官は窓のほうを向いたまま

まったく無気力に繰り返すだけで

ぼくと視線を合わせようともしない。




「先生!いつまで前進と後進がつづくのですか?」

と聞くと

無言でにらみつけ

アゴで「つづけろ」という合図。



今から思うと、

単なる嫌がらせだったのかもしれないが

心がピュアで

まったくの濁りのない

お坊っちゃま育ちなもんだから

それが「嫌がらせ」ということにも気づかないで

ただ、前進と後進をくりかえし

一段階をおえるまでに八時間も要したのだった。




一緒に入校した人たちはすでに二段階を講習していた。



さて!

やっと

やっと

「かすみ」の登場である!




教習を終えて待合室にすわり冷たい缶コーヒーを飲んだ。

緊張と暑さで汗をたくさんかいていた。

そんなぼくの前に

白いTシャツ姿の女性がいた。

やはり缶コーヒーを飲んでいる。

ぼくと同じで

今教習を終えたばかりというのがわかった。

白いTシャツの背中のところが汗で濡れていたが

ブラージャーの横紐のとこだけが

汗を吸っていなくて浮き上がって見えた。


それが

かすみとの出逢いだった。




to be continue




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Last updated  2011.05.12 22:57:50
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