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埋もれ火のアンソロジー

埋もれ火のアンソロジー

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2013.02.21
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カテゴリ:徒然日記
若いカップルが坂道をおりて歩いてきた
「こんにちは」
「いらっしゃいませ。自転車をご利用ですか?」
「あ、いえ、マリンワールドにいきたいんですけど」
俺は
地図を使って丁寧に
マリンワールドへの行き方を説明した
話し終わると
彼のほうが
俺の顔を見て
「おじちゃん、イケメンですね」
と口走った

「おじちゃん」は俺のことだと文脈からわかったが
「イケメン」という言葉が耳にしたことはあるが
俺に投げられた経験がないもんだから
一瞬、どういう意味だったかと考えた

「おじちゃん、イケメンですね」
「えっ?・・・・・」
彼は
彼女の肩をたたいて
「ねえ、おじちゃん、イケメンやね」
彼女は小さく頷いていた

正直言おう
俺は
57年間生きてきて
「顔が大きい」
「頭がでかい」
「顔が平べったい」
「目と耳の間が広すぎる」
などなど
顔でよく言われた経験がないのだ

「おじちゃん、顔がでかいですね」
と言われたら
「うらやましいやろ?」
とか
「ほめてくれてありがとう」
などと
返す言葉はいくつでもあるんだが

「おじちゃん、イケメンですね」
に対しては
何も言えず固まってしまったのだ



カップルが立ち去ったあと
俺は、すぐトイレにいって
トイレの鏡にうつった自分の顔を見た
「この顔がイケメンなのだろうか?」
俺は
決して俺自身の顔が嫌いなわけではないが
決してイケメンとは思えない

ただ
あの若者カップルのおかげで
「イケメンですね」
と言われたことだけは事実である
イケメンであろうとなかろうと
「イケメンですね」
と言われたのは俺自身なのである


2012年12月21日
古い地球は終わった(マヤ暦もそれを証明していた)
そして
2012年12月22日から
新しい地球の時代がはじまった

この新しい地球での「イケメン」とは
俺のような男を指すのではないだろうか!?
地球が新しくなるように
イケメンも顔がでかく頭が大きな人のことを
イケメンと定義される日が近いのかもしれない


これから
コンビににいっても
鎌倉を散策してても
横浜を歩いていても
俺は
指差されるかもしれない
人々は
俺には聞こえない声でささやいているんだ
「あの人、見て見て!超イケメンな人だね」

ああ~
コンビにの前で
肉まんやあんまんを食べてても
新しい地球では
「あ!イケメンが肉まん食べてる!」って
言われてしまうのだろうか?
それはちょっと困るなあ~

三人


この頃の俺が
俺的には
いちばん好きな俺なんだが・・・
57才
再び
「モテ期」到来の予感がしてきた・・・

「おじちゃん、イケメンですね」

この言葉を投げかけてくれた
名もなき若者に
心より感謝いたします

z3


俺って
可愛いとおもう?














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Last updated  2013.02.21 22:32:19
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