あるパーティーダンサーの独り言

「ねえ、あの人上手いの？」
何人かの女性のグループから声がかかりました
あの人とは一緒にリボンをやっている女性です
「彼女は男性からとても評判がいいみたいだよ」と答えます
「そうらしいわね、さっき知り合いの男性がわざわざ席にやってきて、彼女と踊るととろけるように気持ちいいんだよって言うのよ」
あきらかに語尾に怒りがこもってます
この会場は上手い人が集まると評判の会場です
そしておのずと上手い人たちは会場の中でも固まる傾向があります
その上級者席とも言える席の一角に彼女達は常に座ってます
つまりある程度自負もある人たちです
確かに話題のリボンさんは傍目で見てもうまいなとわかる踊りですし、かなり遠方から通ってきているのですが、地元では男性達が彼女に殺到するので地元の女性から疎まれて踊りに行きずらくてこちらまで通っているというまことしやかな噂まで密かに語られている女性です
ちなみにリボン同士はほとんど踊る機会はありませんので、私は彼女とは１～２度踊った程度です

わざわざあのリボンさんと踊るととろけるようだと女性たちに言いに行った男の愚かさ
そしてそれに反応した女性たちの嫉妬
私は巻き込まれまいと半分逃げ腰です