我食べる、故に我あり ～ 中国の故事 （嘘）

あぁ、今日も…


今日は原爆忌。
昨年は１日前に出張で広島にいて、準備に忙しい平和公園を訪れ、手を合わせたのだった。

合掌



昼は、成冨で焼きなすの冷やしそば。

冷たいぶっかけそばの上に丸々した焼きなすが２本。
剥いてある枝豆が数粒。

焼きなすには生姜が付き物だが、そばに生姜の取り合わせはあまり聞いたことがない。
少々不安を抱えながらも口に運んでみると、出汁のしみた焼きなすと香り高いそばと、これまた香る生姜が見事に口の中で溶け合っていった。
幸せ。
さすがは成冨。今や銀座屈指のそば屋と言って間違いない。

が、気になることがなかったわけでもない。

カウンターに座った夫婦のことだ。
ビールの小瓶を二人でシェアして、楽しそうに会話しながらそばが出てくるのを待っていた。
こう暑いと昼から一杯やりたい気分は分かるし、私も休みならこんな日には躊躇しないだろう。

しかし、である。

男の前のカウンターに無造作に置かれているのは、サングラス、大きな革の財布、そして…
車のキー。

奥さんも咎めないところをみると、いつものことなのだろう。

ビールを一口なら飲んだうちに入らない。なーんにも問題ない。
そんな言い訳が通用しないのを知らないわけじゃなかろう。
昼間っから飲酒運転の取締りなんかやってないから捕まりゃしないよ、ということだろうか。

いずれにせよ、飲酒運転が引き起こしてきた悲劇は他人事であり、自分にはまったく関係ないと思っている。
夫婦そろって。

そして、店も店だ。
運転するのを知りながら酒を出したら、店も罰せられる時代である（たぶん）。
開店してわずか数年で築き上げた名声に、飲酒運転の片棒を担いだなんてつまらないことで傷を付けて欲しくはない。


というわけで、味には大満足しながらも、幾分ブルーな気分で店を出た。

夜になった今も、せめて店員に一言いうべきだったかもしれないと後悔している。


満腹？