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我食べる、故に我あり ~ 中国の故事 (嘘)

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2007年10月11日
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北の町の夜は寒く、底冷えがした。
ブルッとひとつ身震いして夜中に目が覚めた。
窓から外を見ようとしたが、上のほうの一部を除いて濃い色のフィルムが貼られていて見えない。
立ち上がり、背伸びしてフィルムが貼られていないガラス越しに外を眺めると案の定、雪だ。
目の前の森の木々は白で覆われ、道にも既に10センチほど雪が積もっている。
北国といえど、随分と早いな。
そう思いながらも、あまり驚きはなかった。

起き出すにはまだ早い。もう一眠りしよう。
朝まで雪が残っていれば良いのだが。


目覚めると、もう雪はなかった。
それどころか、窓に貼られたフィルムも消えていた。
窓の外の景色もまるで違う。
森などなく、向かいの家の裏手には海が広がっていた。
雪など最初からなかったのである。
夢を見たのだ。


海沿いの道にはハマナスが並んでいた。
赤い実を付けているものが多いが、まだ花を咲かせているものも目に付く。

家々の周りには、白やピンクのコスモスが揺れている。

海上は風が強いと見え、白い波頭が海面をウロコのように覆っている。

国道とは名ばかりの狭い道の脇に並ぶ漁師の家。
昆布干し場。
開いて吊してある烏賊。
潮風に晒されて傷みの目立つ壁。
トタン屋根。
故郷の郊外の漁村によく似ている。


小さな駅には、土産物屋どころか売店もない。
街路樹のナナカマドは葉も実も赤く色付いている。

冬支度。
都会ではなんのリアリティも持たないそんな言葉が、ふと浮かんでくる。


仕事をしに来たはずなのに、なぜかセンチメンタルジャーニー。

故郷が近いせいだろうか。

ここまで来てブラキストン線を越えられないなんて。








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最終更新日  2007年10月11日 18時41分39秒
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