我食べる、故に我あり ～ 中国の故事 （嘘）

あぁ、今日も…

今日は徳島の事業所に出張。
昼に空港に着いて、そのまま昼食へ。
そば屋へ連れて行かれた。
そういえば、数年前にこの地へ来たときも、そば粥なるものを勧められて食べた。
徳島はそばが名産なのかと出迎えた旧知の男に尋ねたら、「徳島はやっぱりうどんかラーメンですよ。ここでそば屋なんて無謀じゃないかと言われてたのが、案外流行ってましてね」と言う。

鴨汁せいろ。
結構美味。
でも、このロケーションでこの値段でやっていけるのだろうか。
そんな邪推を振り払うように、老若男女、ご近所さんからビジネス系まで幅広く客が途絶えない。

東京感覚では分からない生活があるのだろう。
いや、東京感覚の方が異常に違いない。

午後は作業服に着替えて現場を歩いた。

私のような典型的社内官僚が現場を歩いてなにかの役に立つとも思えないのだが、社内で現場から一番遠い存在の一人であることは間違いない私が、作業服にヘルメット姿で現場を歩いたということになんらかの意味を見いだす人がいれば、来た甲斐があったというものだ。

個人的にはこういうのは決して嫌いではない。
嫌いだったら部下に押し付けている。

夜は社内の施設で懇親会。
メンバーは現地のトップを除けばみな多かれ少なかれ知った人たちの上、トップを含め人柄が良く、まっとうな人たちが揃っているので、飲んでいて実に楽しい。

現場に何を残せたか自信はないが、個人的には満足のいった出張であった。


懇親会場からホテルに向かう道すがら、空が奇妙に光っていると思ったら、花火だった。
神無月も終わろうとしているこの時期に花火とは。
そうつぶやくと、タクシーの運転手が「この辺は今頃がお祭りなんよ」（土地の言葉だったので語尾は正確ではない）と独り言のように。

意表をつかれて少し驚いたが、秋の花火も案外と悪くないものだ。


満腹、満腹