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あぁ、今日は… 頭部のMRIの検査である。 磁気共鳴画像診断装置というのだそうだ。 あまり深刻な話ではない(たぶん)。 そろそろ毎年人間ドックを受ける時期が近付いてきたのだが、今年は少々迷っていた。 ここ2,3年で、胃カメラも大腸内視鏡も肺のヘリカルCTも内臓の超音波検査も受けたが、どこにも異常は発見されていない。 血液検査でも、コレステロールと中性脂肪がやや高いことを除けば、あとはすべて正常値であり、糖尿も通風もまったく兆しはない。 血圧も毎週ジムに行くたびに測るが、ピタリと正常値である。 おそらく今年の人間ドックでも「軽度の肝障害」(コレステロールが超えているため)の診断だけだろう。 しかし、不安がないわけではない。 そう、脳である。 脳を調べたことはまだない。 そこで、今年は通常の人間ドックをやめて脳ドックを受けてみようかどうしようか迷っていたのである(会社の補助は、通常 or 脳の二者択一)。 と、そこに朗報が入った。 先日訪れた病院で脳ドックの話をしたら、医師が「紹介状を書きますから、MRI検査は保険診療になりますよ」というのだ。 ラッキー。 思えば、小学校高学年の頃から結婚前までは歯医者以外の病院にかかった記憶がない。 その間に病院に行ったのは、高校のときに血液型を調べに行った1回だけのはずだ(それまで、自分の血液型を知らなかった)。 それだって、耳たぶを少し切られて1、2滴の血を採られただけだ。 従って、私の前半生は、健康保険に関しては完全な割り勘負け、いや一人負けであったと言える。 それを取り返すかの如く、ここ数年、健康保険の資金で検査を受けまくっている私である。 いったいどうしてこんな検査オタクになってしまったのか? ひとつの理由は母の死であろう。 母は亡くなるしばらく前から体の不調を訴え、あちこちの病院で様々な検査を受けたが原因不明と言われ、最後に入った病院で担当した医師が診たときには、癌が全身に転移していてもはや手遅れだった。 その医師によれば、他の病院で撮ったレントゲンやMRIにも癌は写っていたという。 私は尋ねた。努めて落ち着いた口調でいたつもりだが、おそらくは恨み節になっていただろう。 「癌ほどのメジャーな病気を何人もの医師が気付かなかったなんて、どう理解すればいいのでしょう?」 すると、医師は弱々しく答えた。 「おっしゃるとおり非常に多くの方が癌を患っています。でも、町医者が癌患者を発見することは稀です。癌を発見しようという目で見ている医師か多くの症例を見てきた医師でなければ、ぽつりぽつりと黒い影が写っていても気付かないものなのです。どれだけ医療機器の精度が上がって、わずかな異常も映し出すことができるようになっても、医師が気付かなければそれまでです。残念なことに、癌が写ったレントゲンを前にしても癌に気付かない医師が殆んどだというのが日本の医療の、特に地方都市における現状なんです。申し訳ありません」 それ以来、人間ドックを受けるようになったし、様々な検査を受けるチャンスがあれば受けてみるようになった。 医師には聞かれたことに答えるだけでなく、こちらからもあれこれ疑問を尋ねてみるようにもなった。 コノイシャハシンヨウデキルダロウカ? ま、それはそれとして、単純に自分の骨や胃の中や脳がどうなっているかを見るのは、実に興味深い。 好奇心を満たしてくれる。 今日の老医師の説明によれば、「ごく簡単に言うならば、MRIとは強力な磁石であり、磁力のオン・オフによって血管を収縮させることにより血流の異常を発見する装置である」とのことだ。 老医師は古き良き時代の品のある「先生」と呼ぶに相応しい方であり、短い時間にもいろいろ教えてくれた。 老医師は、「ここは株式会社だから、機器が良いんですよ」という。 株式会社?どういうことだろう? 「私の出た学校にも、今はMRI装置が3台あるんですが、古くってね。時間が掛かるから3台あっても、沢山の人を検査できないのですよ。いまから申し込んだって3ヶ月は待たされます。それに古いから性能も悪い。それに比べて、ここのはすごい。半分の時間で検査が終わりますよ。学校は予算を取ったりなんだりで、理由もあれこれつけなきゃならん。それに比べて株式会社は最新鋭の機器をすぐ買えるでしょ。医師会は株式会社が病院を経営することに反対するけど、株式会社の進出は悪いことじゃない」 つまりは、ここのクリニックは株式会社が経営しているらしい。 医療行為が仁術でありさえすれば、病院経営は算術であっても良いということなのかもしれない。 医療機器はかなりの高額であろうから、資金調達、設備投資、その資金回収の計画をきちんと立てられる能力がないと、それなりの病院は立ち行かなくなるおそれがあるということだ。 株式会社だから最新の機器がすぐ買えるとは限らないが。 で、検査であるが、身体中の金属をはずしさえすれば(歯の詰め物は構わないが、入れ歯はダメ)、あとは服のまま装置に横たわるだけだ。 ヘッドフォンをされて聞きたくもない音楽を聴かされながら、横たわること15~20分。 途中、老医師がいっていた「工事機械みたいな音」がしたが、さほど気になることもなく終了。 それだけ。 検査結果は後日。 このクリニックでは、希望があればMRIの画像をCD-ROMに落としてくれるらしい。 是非欲しいと思っているのだが、申し込むのを忘れて帰ってきてしまった。 過去に受けたレントゲンや内視鏡の画像ももらえないものだろうか? 自分の体の画像なんだから要求する権利はあるはずだよな。 満腹? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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