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我食べる、故に我あり ~ 中国の故事 (嘘)

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2010年04月08日
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カテゴリ:牡蠣


今日は、築地の「ふじむら」へ出掛けた。

席に付いて、さて何を食べようかと思ったら、相席のふたりが食べていたカキフライが目に入った。
まだ肌寒さの残る日もあるけど、桜も満開になり、カキフライの季節はとっくに終わったと思っていたので、ちょっと意表を突かれた感じだ。
牡蠣の香りが鼻をくすぐる。
すると、隣のテーブルにもふたつ、カキフライが運ばれ、さらにカウンターの客もカキフライだ。

わずか12席の小さな店で、5人がカキフライを食べている。
こりゃもうカキフライしかありません、と思いつつもついつい「今日の焼魚は?」と尋ねてしまった私である。
それでも頭の中では、「うーん、焼魚は○○かぁ…。やっぱりカキフライにしよう」というシナリオが描かれていた。
ところが、思わぬ方向に事態は展開していく。
私の問いに対して店員は、「今日の焼魚は、カンパチのカマ焼きかトロホッケになります」と答えたのだ。
焼魚かカキフライか二者択一だったはずが、焼魚2種による二択になってしまった。
カキフライを加えて三択はどうだろう?
いや、それはダメだ。
焼魚1種とカキフライなら、その焼魚がたまたま期待していたのと違ったからカキフライにしたと言い訳もできるが、カンパチのカマとホッケの両方を却下したとなると、「じゃぁアンタの望む焼魚って何なのよ。カンパチもホッケもダメなら焼魚を食べる資格なし!」と怒られそうだ。
もちろん、店員がそんなことを言うことはないだろうし、実際には誰も怒らない。
納得できないのは自分自身だ。
中年男の心理は屈折している。
焼魚を尋ねてしまった自分が悪い。

そんなわけで、カキフライを泣く泣く見送って、カンパチを食べたのである。

ま、事実カンパチは美味しかったのだけどね。



満腹、満腹








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最終更新日  2010年04月08日 23時33分22秒
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