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今夜は山間の小さな温泉宿に泊まった。 食事を終え、さてドボンと温泉に浸かってくつろごうかと思っていると、宿の女将が、今夜は隣町のお祭りだから見に行ったらいい、車で送迎するから是非行きなさいと勧める。 既に8時半になっていたので、小さな村祭りなんて終わっているのじゃないかと聞くと、夜通しやっていると言う。 初めて来た土地だし、部屋でだらだら酒を飲んでいるよりは面白そうだ。 真っ暗な夜道を車で行くこと20分ほどで、ぼんやりと灯りが見えてきて、やがてはっきりと何本もの大きな幟が現れた。 奥の方は闇に溶け込んでよく分からないが、見えている範囲だけでも村の鎮守様というには随分と大きい。 そして、老若男女が集っていた。 境内の中央では獅子舞が舞われていたのだが、これにはストーリーがあって、小さな子どもが器用に踊りながら獅子を倒す様はなかなか見応えのあるものだった。 獅子舞が終わると、舞台にスーツ姿が板についていない若者が現れ、かしこまって、これから演芸が始まる旨の口上を述べた。 壁に貼られた手書きのプログラムによれば、民謡あり演劇あり歌謡と盛り沢山である。 最初は民謡だ。 唄い手もお囃子も枯れた味わいのじいさんばあさんばかりだったが、年に一度の晴れ舞台とばかりに男は紋付き袴、女も一張羅であろう着物で決めている。 そして、唄に合わせて踊るのはハタチ前後の若い娘たちだ。 小さな頃から踊り馴れているのか、それとも今夜のために相当な特訓をしたのか、素人芸などではないたおやかな踊りだった。 獅子舞といい、民謡といい、若者たちが村の伝統をしっかり引き継いでいるのが、なんだかうれしい。 きっといい街なのだろう、ここは。 北海道の都市部で生まれ育った私には、こういう村祭りの記憶がないから、羨ましさもあるように思う。 満腹、満腹 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年10月15日 18時41分28秒
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