我食べる、故に我あり ～ 中国の故事 （嘘）

今夜は中華の宴会が予定されていたので、昼は油っ気のないそばでも食べようと歩いていたのに、なぜか途中で心変わりしてチャンポンを欲した。
その時は既に慶州とはまるっきり反対方向に来ていたし、吉宗は曜日によって皿うどんとチャンポンが二者択一で、確か月曜日は皿うどんだったはず。
というわけで、リンガーハットへ。

野菜たっぷりチャンポンを食べたのだけど、野菜が多すぎる。
まぁ、野菜たっぷりと言っているのだし、それを選んだのは私なのだから、文句を言う筋合いはいささかもないのだが、野菜と麺の量のアンバランスは考えた方が良いだろう。
いや、そこを考えて、まずは野菜をドレッシングでお食べくださいと、柚子胡椒と生姜の２種のドレッシングが添えられているのだけど、チャンポンの上の野菜にドレッシングを掛けて食べるのはイマイチのセンスだよな。

だったら、普通のチャンポンを食べろよ！と言われれば、まったくその通り。
ゴメンナサイ。


ところで、近くの席に、作業服姿のふたりの男が座っていた。
ひとりは恰幅がよく、話し方にも余裕が感じられる。
「予定じゃあ、今日はどこまでやることになってるの？」
「あはは、ま、予定だからな。無理っしょ。無茶言うよ。できるとこまでやるしかないね」
なんて言って笑ってる。
他方、相手の男は小柄で痩せていて、声もか細くオドオドしている。

が、恰幅の良い男の方に先に料理が運ばれると、彼は小男に向かってこういった。
「社長、悪いけど先に食わせてもらうよ」

たぶん、このふたりは、社長と社員の関係ではないだろう。
同じ現場で働いている下請け仲間だと思う。
社長と呼ばれた男は一人親方（つまり、会社形態ではあるが、実態はひとりで働いている）なのだろう。
場合によっては、「社長」と呼び掛けた方だって、社長や専務かもしれない。
それでも、お互いに「社長」なんて呼び合うのだな。
教師や政治家や弁護士が同業者同士で「先生」と呼び合うみたいで可笑しかった。



満腹、満腹