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我食べる、故に我あり ~ 中国の故事 (嘘)

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2011年03月15日
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東北地方太平洋沖地震が発生して5日目を迎えた。
地震や津波による被害の全貌はいまだに分からない。
そして、さらに深刻な事態が進んでいる。

学生時代に原子力分野を齧った部下が「長引くようなら東京にも影響があるかもしれません」と言うので、すぐさま妻に「今日はしばらく家から出るな」とメールを送った。
もちろん、「すぐさま避難が必要な状況ではないから、慌てるな」と付け加えたが。
こういうときは集団ヒステリーが一番危険だ。
幸いにして妻は腹が据わっている。肝っ玉母さんの対極にあるタイプだけど。



会社では各部の責任者が集まって今後の対応について話し合ったのだが、基本的な事項について経営トップの指示を求める声が多くて驚いた。
上司は「そんなの各自が常識で判断できることだろ。指示がなければ動けないのか!」と怒鳴ったが、案外と正しい意見なのかもしれない。
「常識」というのは人によって違う。
非常時に各人の「常識」に判断を委ねてしまえば、統率が取れなくなる事態が生じるおそれもある。
通常の指揮命令系統が維持されているのであれば、基本的な事項も含めてきっちりとその指揮命令系統に載せて指示することが、組織の秩序を保つためには大切なことだと気付いた。



夕方には、九州に単身赴任中の親しい知人から、「東京にいる妻子を避難させるべきだろうか?」とメールが来た。
「今の状況なら避難は不要。噂に惑わされてパニックにならないように」と答えたら、「安心した。ありがとう」とすぐに返事がきた。



誰も経験したことのない未曾有の危機に直面しながら、(少なくとも私の周りの)多くの人たちが極めて冷静だ。
これを「日本人の美徳だ」と讃える海外メディアや、それらの報道に勇気付けられてプチ・ナショナリズムに目覚める日本人たちもいるけれど、ホントにそれだけなのだろうか。
もちろん、このような状況で暴動も略奪も起きない国なんて、世界中見渡しても極めて珍しい存在だろう。
自分たちが何の被害を受けていなくても、同胞の悲劇に哀悼の意を示し、予定されていた行事や会食なども誰にも言われなくても一斉に自粛してしまうのは、国民性なのだろうと思う。

それでも、ここ数年政治の混乱が続いたし、日本人の伝統的価値観も平成の世が進むにつれ加速度的に消滅しつつあった中、今回の悲劇が誰かに都合よく利用されているのではないかと疑ってしまうのは、私の心がひねくれているためだろうか。

そんなことを心配するよりも、もっと心配すべきことが山積しているのは分かっているけれど。



それにしてもだ。
こんな時に次々と迷惑メールを送ってくる連中には、ホントに腹が立つ。
都知事じゃないけど、こんな奴らにこそ天罰を加えて欲しい。



と書いているうちに、今度は静岡東部を震源とする大きな地震があった。
かなり揺れている。
今夜も会社近くの仮の宿にいる。
10階のため随分と揺れているように思える。
妻に電話してみると、揺れてるけど物が落ちたり倒れたりするほどではないと言う。
自宅か会社の中にいるのが、当面は安全なようだ。







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最終更新日  2011年03月15日 22時43分22秒
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