カテゴリ:その他
うちの近くの図書館、蔵書が少ないということもあり、棚がスキスキなのを利用して、司書さんがお勧めの本や話題作をさりげなく表紙を見せて並べてくれてあります。
「おわらない夏」も、そうやって置いてありました。 ずっと引っ張りだこだったんでしょう。かなりくたびれてます。 小澤征良さん、テレビで見るときれいなお嬢さんです。有名なお父様をお持ちで、お育ちも良く、別世界の人のようです。 この本には、子供の頃のタングルウッド(小澤征爾さんが指揮者をなさっていたボストン交響楽団の夏の演奏地)の思い出が書かれています。 夜中にいっしょにバナナを食べてくれるお父さん、神経質で心配性で旅がほんとうは嫌いなお母さん、魔法使いみたいなお料理上手なタァタ(母方のおばあさまで、有名な入江麻木さん)、第二のお父さんみたいな居候のたかべぇ、などが出てきます。 透明できれいな文章にずっとひっぱられて読み終わってから、征良さんは、日本で過ごしていたときは、お父さんとも滅多に会えず、寂しかったのかなあ、それだからこそ、毎年の夏のタングルウッドにまつわることをこれほど美しい形で覚えているのかしら、などど考えてしまいました。 本の好きな中1の娘も、私が読み終わるより先に読んでいたので、「この本どうだった?」と聞いてみました。すると、思いがけず、「あんまり面白くなかった。」との答え。「どうして?」 「だって、思い出しか書いてないんだもん。」 なるほど、若い子には、この本のなんとも言えぬ、優しい思い出との戯れ感は、わからないのだな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/01/26 10:50:32 PM
コメント(0) | コメントを書く |
|