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カテゴリ:ヤップーンの暮らし
ある日家に帰ると、我が家の前に、
見慣れない黄色い蓋のRubbish Binがどどーんと置かれていた。 中にはパンフレットが入っており、見たところ どうやらこの国でも、ようやく家庭ゴミの分別が始まるとの事であった。 実際には以前から、リサイクルステーションが町のいたる所にあり、 自己申告の持ち込みベースで資源ゴミの回収は行われていたのだが、 家庭からゴミを出す段階で分別を強要するのはこれが初めてである。 ご承知の通り、オーストラリアにおける家庭ゴミは、 各家庭に配布されている指定ゴミ箱を 毎週決められた曜日に自宅前に出しておくと、 回収車がやってきて豪快に回収してくれる。 こんな感じで。 これまでは、ゴミの分別という概念が全く無く、 缶であろうが生ゴミであろうが プラスチックであろうが刈り取った芝であろうが、 みーんなおんなじゴミ箱に入れておけば回収されていた。 しかし今後は、 「分別をきちんとしなければ回収しまへんで」 という並々ならぬ勢いが、 市のパンフレットから伝わってくるようであった。 おいら達日本人は、 例えばペットボトルでも、ボトル本体とラベルを分別するくらい ゴミの分別が身にしみついているから ごく自然に対応できるのだが、 果たしてオージー、 その中でもずば抜けて「Easy Going」のヤップーン市民が どこまできちんとゴミを分別するのかどうか、見ものである。 ちなみにおいらが以前住んでいた霧島市のゴミ回収所には、 「ゴミマスター」とも呼ばれてしかるべき「分別チェッカー」がいて、 早朝から住民の出すゴミの分別について、厳重なるチェックを行っていた。 オーストラリアのイミグレーションが見たら即採用、というくらいの 眼光鋭いオバハン達が、当番制で一軒一軒の指定ゴミ袋の中身を容赦なく チェックしていたのである。 チェッカー達は、ゴミの中身だけではなく 当然ゴミ収集日、時間の厳守にもうるさく、 おいらが早番で出かける日、回収時間の10分前にゴミを 持ち込んだところ、物陰からぬうっとチェッカーばばぁが出てきて 「あんたっ!指定時間内に出してっ」 と恫喝された事があった。 おいらはその際、咄嗟に 「うちは父子家庭でリストラされて、 今からアルバイトに出かけなきゃならないので、 この時間にしかゴミを出すことが出来ないんですぅぅぅ、よよよ」 と不憫な家庭環境を演じ、 お涙ちょうだいで嘘八百、いや八百万並べ立て、 その場を切り抜けた。 ちなみにその時は言うまでもなく、嫁はんと娘は 自宅でガーガーと鼾をかいて寝ていたのだが。 まぁこっちのゴミ分別なんて今のところ プラスチックも紙もスチール缶も「資源ゴミ」として 一緒にしておけばいいので、 日本に比べれば屁みたいなものであるが、 今後日本のように細分化されてきたとしたら、 こっちの国民はきっとついて来れないんじゃないかなぁ。 しかも案の定、第一回目のリサイクルゴミ回収日は、 火曜日と指定されていたにもかかわらず、業者が回収したのは 結局翌日の水曜日だった。 ゴミ出す国民もオージーなら、 回収する側もオージー。 果たしてどこまで正確に分別と回収が実施されるのであろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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