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カテゴリ:ヤップーンの暮らし
土曜出勤が暫く続いていたので
今週末は久しぶりのチャ~ンス!とばかりに ヘアカットへ行った。 この町へ住み始めてからずっと通っている散髪屋。 この店は、町の中心部では唯一の、 「ヘアサロン」や「カットスタジオ」などという スタイリッシュな店とは一線を画した「理髪店」。 「早い、安い、上手い(かどうかは職人次第)」がウリのこの店は、 土曜日ともなると、ここは更年期障害の専門医の待合室かいなと思わせるくらい 中高年の叔父様方でいつも異常なまでに混雑していた。 開店時間の朝8時前には、既にパチンコ屋の開店を待つかのように これらの叔父様方が店舗前にたむろし始め、 スタッフが店を開けると同時に、狭い店内に8席ほどあるスタンバイチェアが 一瞬にして満席となり、立ち待ち客まで現れる程の盛況ぶりであった。 ところがこの客数に対してスタッフは常時2名体制の為、 こうして開店と同時に行かなければ、 1時間待ちは必至か、さもなくば日をあらためて出直さざるを得ない程に この理髪店は流行っていたのである。 そんな中、この需要に対応するためなのか、 ハタマタビジネス内紛なのかは知らないが、 この理髪店で働いていた年配の理容師2名が 数ヶ月前に新しい店をオープンさせた。 しかも興味深い事に、同じストリートの、既存の理髪店の対面にである。 新しい方の店は、 既存店にいたスタッフが立ち上げたという事も、 値段も一緒という事を地元フリーペーパーで確認していたのだが、 たまたま前回カットに行った際には 習慣というか、何も考えずに既存店の方へふらっと足を運んでしまった。 決して既存店に若い女性理容師が残っていたからという理由ではなかったのだが、 気持ちが正直に、行動に出ていたのかもしれない。 果たしてカットを終え、さっぱりとした気持ちで 道路の中央分離帯駐車スペースへ向かうと、 道路を隔てた向かい側の新規店の前で仁王立ちになって 鬼のような形相でおいらを睨んでいる男の姿があった。 おいらは一瞬にしてその大男が、既存店から新規店へ 移った理容師の年配男性だと悟った。 この理容師の男性、身長は190cmはあろうかという大男で、 おいらは心の中でいつも「軍曹」と呼んでいた。 おいらはその時、何故か後ろめたさから「軍曹」と目を合わす事が出来ず、 そそくさと車に乗り込み、 逃げるようにしてその場を去ったのであった。 前回のカット時にはそんなストーリーがあったので、 今度町で軍曹に会ったら後ろから刺されてしまうのではないかという 強迫概念から、 今回は新しい店でカットをしてもらう事にした。 軍服や大砲がディスプレイされているのではないかという おいらの予想に反し、店内の広々とした明るいスペースは、 軍曹の理髪店らしからぬポップで楽しい雰囲気を醸し出していて、 正直あらいいじゃない、こういうのもインテリアとしてはアリよね、 って思った次第である。 軍曹と、もう一人のおばちゃん理容師も腕は確かだし、 これからは両方の店の混み具合を見て、気分によって店を選ぼ、と 思ったのであった。 これまではいろんな場面で「オプション(選択肢)の無い」町であったが、 こうして人口が増え、町に活気が出てくると、 モノにもサービスにもどんどん競合が生じるのは歓迎すべき事で、 これからも相乗効果が現れてくる事を期待したい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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