またまた穴場開拓 -鹿児島帰省日記その5-
トランジットステイに関しては都心にさしたる用事がなければ、リムジンバスを使って成田、または羽田にステイするのが一般的。だけどそれじゃあ、せっかくの東京を楽しめないじゃないというのがおいら達地方出身者の気持ち。成田、羽田からの両方のアクセスも良く、かつある程度の「おのぼりさんステイ」を楽しめるロケーションとしてわが社の社員出張ではよく品川エリアをステイ先として手配するのだが、おいらが今回自分自身の為にトライアルしてみたのは上野周辺であった。というのも、京成スカイライナーの新線が開業し、日暮里や上野まで僅か30分台で到達できるようになった事と、アメ横や秋葉原などのB級ショッピングエリアには上野の方が俄然アクセスがいい、と思ったからである。で、最終的に落ち着いたのが R&Bホテル上野広小路 。よくよく調べてみると、R&Bホテルは有名なホテルチェーンであるワシントンホテルグループから派生したバジェットブランドであり、昨今の航空業界のLCCよろしく、無駄を省いて必要なサービスだけを行い、その分利用者に料金を安く提供する事で業績を伸ばしているホテルチェーンであった。上野広小路の交差点から1本奥へ入った閑静なロケーション京成上野駅はJR上野駅とメトロ上野広小路駅のほぼ中間地点にあり、京成の駅からメトロ上野広小路駅までは地下道で繋がっていた為、寒風吹きすさぶ地上を歩かずとも、ホテルまで徒歩5分程で到達する事が出来た。但し広小路の地下道から地上に出るまでは、気合と根性でスーツケースをかついで階段を登らなくてはならなかったが。おいらが到着した時には、メインフロント、と呼べるかどうか、コンシェルジュカウンターのような所に女性のスタッフが1人だけ。チェックインしたい旨を告げると、既においらの登録情報が記載されているレジストレーションカードを渡され、それに署名をすると引き換えにカードキーを手渡された。「ご利用前にご精算をお済ませください」との事で、対面にある自動精算機にカードキーを挿入し、この機械でホテル代4,600円(税込)を支払うと、ルームキーが有効となった。なるへそ。自動精算機にて宿泊前に精算を済ませる。歯ブラシ、T字カミソリは希望者のみがフロントで受領。またルームウェアもエレベーターの前にあるクローゼットから、必要な人だけがピックアップするというしくみになっていた。いずれも無料のサービスである。これはエコだなー。とつくづく感心。(エコロジー&エコノミー)まぁオーストラリアのホテルは、歯ブラシやルームウェアはもともと客室アメニティとしては存在しないのであるが、日本の文化を踏襲しつつも、付加サービスを省く(あるいは選択性とする)スタイルは、ビジネスホテルにおいては今後主流になって行くのではないか、と思った次第である。しかも精算を機械で行う事で、フロントでの現金取扱いは一切行われず、スタッフの教育も最小限に留める事が出来る。通常のホテルにあるような電話・有料放送・客室内冷蔵庫など後払いになるようなものもすべて排除(またはクレジットカード・プリペイドカード払い)になっている為に、翌朝のチェックアウト業務もなし。これで相当の人件費を節約できているはずである。翌日、ロビーの横にあるカフェスペースで無料の朝食サービスをいただいたのであるが、そこはビュッフェスタイルになっており、テーブルを拭いたり、追加のパンやジュースを運んだりしているのは、前日にフロントで対応をしてくれた女性であった。日本人は食べ散らかしたりしないので、カフェスペースの管理も実に簡単なものである。ふっかふかの焼きたてパン。これは「ウマス」。ネスレのコーンスープは感激の旨さ。ロイホのホットチョコ以来の衝撃。コーヒー、野菜ジュース、塩味つきゆで卵焼きたてパン3種。左端はこのホテルお薦めのモンブランパン。またまた脳内はこんな状態に。ここのホテルの損益計算書を是非是非見せちくり~と思ったのはおいらに経理マンとしての自覚が出てきたからであろうか。大きな荷物は空いたスペースに置かざるを得ない。広いダブルベッドにふかふかの羽毛布団。全てのコントローラーはベッドサイドに凝縮。コンパクトなバスルーム。でもウォシュレット完備。さすが日本。ついつい指が"G"を探してしまう。客室は確かに狭く、スーツケースの置き場にも困る程ではあったのだが、寝るだけの「寝室」と考えれば全くノープロブレム。上野の中心部からはちょっと離れているから静かだし、LAN接続も無料サービスだし、これで4,600円だったら品川エリアで素泊まりに9,000円前後払うより、絶対コッチに泊まって浮いた金で美味しい寿司でも食べた方がいいと思うのであった。