イスラエルがレバノンに、ヒジボラ撃滅を目指して進攻して1ヶ月になります。アメリカはイスラエルを支持しています。アメリカの狙いは「中東の入り口」としての位置付けと脅威のイラン排除です。これで地域の秩序を目指しているそうです。
しかし私には「対テロ」を口実に破壊に手を貸しているようにしか見えません。「中東民主主義」というアメリカの国家戦略は色あせてきています。
実際、報道によるとアラブ大衆は宗派を超えて急速にヒズボラ支持が増えているそうです。ヒジボラはイスラム教シーア派ですが、今まで対立関係にあったイスラム教スンニ派の大衆まで、ヒズボラ支持に変わていっています。
アメリカの行動は新米のエジプトやサウジには公正な選挙が実施されなくても圧力は弱く反米のところには強引な民主化を要求しています。アメリカは友好国の独裁を放置し、そうでない者には民主主義を強制して、結果が気に入らなければ武力で倒す。これでは「中東民主化」も色あせて当然です。
イラク戦争開始時、エジプトのムバラク大統領は「この戦争は100人のビンラディンを生む」と語っています。
また同じようなことが繰り返されています。「新しい中東」はアメリカの描く姿とは違う方向になっていっています。アメリカが姿勢を変えないと、エネルギーの中心生産地域で民衆の支持をますます失っていくでしょう。
二枚舌の政策に秩序の輪郭は描けないと思います。