「失敗学のすすめ」の著者=畑村洋太郎は、大学の工学部教授です。成功から学ぶより、失敗の中にこそ本当に学ぶべきことがある、とといています。
NHKでも紹介されていますが、森ビルの回転ドアに小学生が挟まれて死んだことなどを例に、どこにミスがあったのか、ともすれば責任追及で悪者を探しがちになりますが、”本質安全”の重要性が述べられます。
この回転ドアの元の設計は北ヨーロッパだそうです。北ヨーロッパでは回転ドアは、寒さを防ぎ暖房効果を高めるためによく使われています。しかし日本のような事故は起きていません。日本の回転ドアは北ヨーロッパから輸入され、日本で改造を受けていました。
北ヨーロッパの回転ドアの原型は重さ700Kgで、何かが挟まると瞬間に停止します。これを”本質安全”と言います。
対して、日本で改造されたドアは、見栄えを良くする為、原型のアルミから重いステンレスに変更し様々に改造された結果、2.5tもの重さになっていました。そこで何か挟まったらセンサーで停止するよう”制御安全”が取り入れられました。しかし実際に事故の時に停止するまで、重いので惰性で40cm動いてしまうことが実験で分かりました。”制御安全”から”本質安全”にするにはどうしたらいいか、”失敗は何かを生み出す母である”ことを強調しています。
「失敗学のすすめ 」このシリーズは多く出版されています。またNHKでも放送されています。
「畑村洋太郎」で検索すると多くの著作がヒットします。結構面白いし、仕事の姿勢を学ぶことが出来ます。
「失敗学のすすめ 」