仙燐眼

子供に、学校の卒業の記念に寄せ書きをすることになったら、何て言葉を書くか試しに聞いてみた。

「卒業」

「思い出」

「頑張る」

だそうだ。

つまんねーーー（悲）


何十人も聞いたわけでないから、
他の同じ世代の子はどうなのかは不明・・

しかし・・
私たちの時代には
「努力」や「輝く」とか
「夢」とか
「必勝」「旅立ち」・・

うーーーん

「欲しがりません、勝つまでは」
なんて書く子もいたなぁ・・（笑）


高度成長期時代
五月病というものが一時はやった。

この言葉が出来たのは1968年頃で
丁度ベビーブーム期に生まれた人たちが大学に入った時期
まさに過酷な受験戦争を経験した世代

「三当四落」という言葉もあったほど
（3時間しか寝ないで勉強すれば大学に合格するが
4時間寝たら落ちるという意味）

しかし、70年代半ば～後半にかけてそんな現象も失われ
代わりにか
スチューデント・アパシー（学生無気力症）
という言葉が生まれた。

これは大学に入るまでの猛勉強の末
目標を失って無気力になるのではなく
単に元から何もする気が起きない、という状態。

自分次第で立身出世できる世の中ならば
競争意識もどんどん高まり
日本全国の人たちが努力の人となったのだろうが、
世の中全体がある程度のいい生活が確保できれば
そんなに頑張らなくても
「みんなと同じ」程度なら無理する必要もないだろう、という気が起こるわけで。

又、努力してもそれほど報われない時代ならば、
なおもその傾向は強いというもの。

確かに
政界でも財界でも二代目、三代目が幅をきかせる時代。

東大を出ているからといっても、それだけじゃぁ
世の中の中枢の人物になりえないという時代
（東大の合格者の最低点がかなり下がってるとも）

また、世の中が貧しすぎても
人々は無気力化、または他人に迎合しがちになる。

そんなとき、

「神」や「ヒーロー」を求める傾向が。

どこからか自分たちを救ってくれる英雄が現れるのを待ち望むということ。


カリスマの登場


カリスマとは自分の代わりに活躍してくれる人で
自己対象では、いわゆる「鏡」の役割

彼らの活躍を見ることで自分自身の野心が達成したかのような気分になる。

彼らはまさに「神」のようにすごい活躍をやってのける人たち

つまり、この世は全て運しかない。
いいときもあるが、悪いときもある。
ところが彼らだけは現実に、超一流な活躍で業績を上げてる

「超自然的なものに守られている特別な人」に見えるわけで・・
常人でない特別な人、という意味ではまさに「神」なわけね

カリスマとメシアとは少し意味が違うけど・・

メシアのほうはまさに自分を救ってくれる「救世主」で

いじめられてる子供を抱き寄せ
「大丈夫だよ、ちゃんとお父さんがついてあげてるから」
と言ってくれるような対象。

カルト集団のリーダーが信者にとってメシアということね。

しかし、
メシア自身は立派な活躍を収めてるけども
果たして最後まで自分を助け続けてくれるのだろうか？

目標を他力本願にしては
いずれも共倒れが生じるとも・・

「アメリカがくしゃみをすれば日本は風邪をひく」と言われるように
アメリカに負けまいとして、
戦後の日本はひたすら経済の拡張をして
今の状態・・・・・。

ん～～～～む。

今こそ、自己愛の確立を。

ですかねっ。