仙燐眼

自己愛がもっとも傷つくのは
他人に無視されたときかも。

まるで自分がそこに居なかったかのように扱われるよりは
面と向かって罵られるほうのがまだマシ。

いくら自分が自分のことを「可愛い」と思っていても
他人から注目されなかったら、
自信や自尊心を持つことは出来ない

つまり自己愛を満たすためには
他人の存在が必要ということに。


例えば子供の自己愛は普通、親が愛情を注いでくれることで
満たされる。

小さな子供には
「偉いねー」とか「すごいねー」とか思いたがってる自己愛があり。

無力な小さな子供は何も出来るわけないのだけど
本人にとっては
自分が万能で無敵だと限りなく思ってるわけ

しかし、こんな思い込みがあるからこそ
たっちが出来、一人歩きも出来
次への困難へのチャレンジが生まれるのね。

そして母親が
「すごいわ」とほめてくれれば
さらにもっと難しいことをやろうとするわけ。


自己愛を支えてくれることでこの野心への挑戦にと結びつく


ところが
たとえ一人でトイレが出来たとしても
誰も褒めてくれなかったとしたら
野心の極が作られず
新たなチャレンジ精神は自己愛のそがれと共に失せていってしまう。

といっても
単にほめちぎられさえすればいいというものではなく

悪い事をしたときに叱るというのも小さな子の自己を育てる上でも必要。

もちろん叱られれば一時は自信はなくします

しかし、悪いことをしたのに
叱られなかったら、

無視されている＿＿と、子供なりにも思うかもしれないわね。

この場合、叱られるよりも無視されるほうのが
自己愛は傷つくということにーーー。

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何かで失敗したとき
落ち込んだとき

親に求められるのはどんなでしょう？

例えば学校で友人にいじめられて帰ったとき
親の賞賛でもまた、小言でもないのよね。

力と安心感を与えてくれる強い親の存在。

幼い子にとって、神のような存在にさえ思える親が
優しく抱きしめ
「あなたは私の子だから、そんないじめなんかには負けないよ」
と言ってくれれば
子は安心感を得て再び、生きる方向が見出せるでしょう。

大切なのは
安心感を与えてくれる人が
その子が本当に尊敬してる人、神にも思える人
つまり「理想化」してる人でないと意味がないと言えましょう。

自分から見て頼りない人に
「大丈夫」といわれても安心できないでしょう
「こんな風にやってみては？」と言われても
従えないでしょう。

しかし、
自分が理想化した人がいれば、
そばにいるだけで安心できたり
あるいは自分まで強くなった気がするのね。


つまり、
自己愛は注目されるだけでは不十分で
それと同時に、そばに居る誰かを理想化したいと思ってるわけね。

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また、
次に充実させるのは。

例えば
母親が褒めてくれる対象だとしたら、
強くて尊敬できる理想化対象は父親として

子は父親のようになりたいと願いながらも挫折することもあるわけで。
どんなに偉いと尊敬しても
「僕はお父さんのようにはなれないや」
と、思うことだって当然。

自分が人と同じ人間なんだ
という安心感がもてないから。

こういう場合
褒めることでも励ますことでもなく
理想化対象が
時には苦手であったものもあるんだ、というのを示すと

「そうか、自分だけがダメなわけではないんだ」
と心が慰められる。

これは理想化の対象でもなくても

親友であったり恩師であったりでもいいわけ。

「逆上がりは出来ないけど
縄跳びがうまいからそれでいいんだ」と
自分なりに長所を伸ばそうと考えるようになる。
つまりは発想の転換かな？
荷物を下ろしたような安心感が得られるようになるのね。
そんな安らぎも必要ね。


人の心は「他人と違う自分」でいたいというのと
「他人と同じ自分」でいたいと思う心があり。

このバランスが保ち自己愛が確立するのではないかな。


ん・・・

褒めてくれる対象と
理想化できる対象と
自分と同化できる双子のような対象と。

これは子供だけが必要なのではなく
今や
現代に生きる大人たちも
新たに必要とした人が意外にも多かったりするねーー

つまりはどっかで欠けがあると
そこの部分だけ、妙に貪欲だったり
ひどい場合は心の病気にもなりえる。

３つの支えのバランスが一人の人を
真っ直ぐ立たせる

社会生活でも、男女関係でも似たような点が多いにあるかもなーーーー。




恋愛も同じ
夫婦も同じで

「今日の洋服はよく似合ってるね」
と言われて怒る人は居ないし
落ち込んでるときに
「あなただけじゃないわよ」
と、慰めてくれる親友や恋人がいれば元気が出てくる。


心の健康とは
この周囲に自己対象になってくれる人がいることが
大きなポイントかな。

或いは
現実にそばに居なくとも
そういう対象を作るというのが大切かなぁ。

もち、それは、自分の中に作るというのもアリ！と
私的に解釈してるんだけどネ。
（笑）