【住居の断熱】床下用断熱材の設置
中古で購入した我が家は、20年程前に建てられたので、床に断熱材が入っていません。当時はこれが普通だったようです。なので床板一枚の下は外! そんな床はとても冷たく寒いと愚痴を言い続けて10年目。一念発起して、床下に断熱材を入れることにしました。(1)設計条件・仕様 私の住む京都市は、建築上の「断熱区分がIV地区」と決められています。IV地区の場合、選択すべき床(フローリング)用の断熱材の厚さは(密度10K/立米のグラスウールで)、現行の次世代省エネルギー仕様では「175mm」と決まっているようです(一世代前の省エネルギー仕様では「90mm」)。 一方、断熱材を設置したい床の隙間は、「45mm(床と根太の間隔)」です。また、断熱材の材質は、入手性と施工性、費用対効果を考慮し、「グラスウール」を選択しました。 以上の条件を考慮して選定した結果、断熱材を下記の製品に決しました。床下の断熱・吸音に最適です!床下用グラスウール「マットエースUボード」密度32k 厚さ42mm 263/268mm×1,820mm洋間用・18枚入(3坪入) 製品の仕様から期待できる断熱性能を換算すると、 約130mmの厚さになります。現行の次世代省エネルギー仕様には及ばないものの、一世代前の省エネルギー仕様の値を上回ります。(2)施工設計 選択した製品は、床下仮面に密着させ、根太間に挟まれるよう設置する仕様です。金具やテープでの固定は必要なく、根太との摩擦のみで固定します。なので床下に潜り、根太間隔を測って施工用の図面に落としていきます。図ってみて分かったのですが、根太間隔が一箇所ずつ全てバラバラです。しかも、同じスパンでも手前と遠くで間隔が違います(T_T)。仕方なく根太の間隔を3ケ所ずつ図ることにしました。[断熱材設置前の床下](3)設置テスト 初めてやることには予測のつかないことが多いので、実物の断熱材を使用して設置テストをしてみました。その結果、次の不測事項が分かり、対策を講じました。1820mmの長さのままでは、設置が著しく困難(根太の摩擦が大きく挿入できない)→1つを1000mm前後に分割。ピース数が多くなるので床と断熱材に符合を記入土台部分(≒壁の厚さ)まで断熱材が入ってしまう(既設の壁用断熱材が10K/立米50mmと薄い)ため、見積より多くの断熱材が必要となる→不足分の追加購入を検討床下収納庫や緊結ボルトなどの有無により、設置箇所の形状に合わせた断熱材の加工が必要断熱材の幅が根太間隔よりも1mm以上狭いとずり落ち、5mm以上広いと挿入に無理がある→根太間隔よりも断熱材の幅を2~3mm程度大きめにカットする(4)作業準備(装備) グラスウールを取り扱うと細かなガラス繊維が飛散するため、必要な装備を装着します。防塵マスク、防塵ゴーグル、ゴム製作業手袋、ナイロン製の上着とズボン(雨合羽でOK)、帽子(手拭を巻く)を着用しました。東洋 防塵マスク替フィルター NO.1510 3枚入【ゴーグル・メガネ】くもらない防塵ゴーグル G2001-G2(5)プレカット 先に作成した施工図面に従い、 断熱材を事前にカットしておきます。寸法の測り間違いなどの人為ミスが怖いので、2列分くらいを1セットとしてカットしました。 グラスウールは、普通のカッターで簡単に切断できました。ただし、カッターの刃が直ぐに切れなくなるため、適宜交換が必要でした。作業は風通しの良い屋外で行った方が賢明です。(6)設置 断熱材を1セットカットしたら、それを持って床下へ潜り、符号を見ながら設置していきました。はめ込むだけなので設置は極めて簡単です。作業(5)(6)を繰り返します。[断熱材(グラスウール)設置後の居間の床下] 異形状の箇所は、断熱材を現場加工して隙間の無い状態で設置します。これがおもいのほか時間がかかりました。[床下の形状(床暖房の温水パイプ)に合わせて加工・設置した断熱材]※床暖房の温水パイプにも保温材を追加しました (効果) 劇的な断熱効果がありました! もう、冷たくない! 居間は床暖房を設置しているのですが、適温に達するまでの時間は短くなり、床面や室温の暖かさの持続時間も3倍(感覚ですが)以上になりました。家族一同曰く、「すごーい。まだ暖かい~」の連呼です。(^_^)v。苦労した甲斐がありました。(総括) 以上の要領で、居間(6畳)と台所(6畳)に断熱材を設置しました。 延べ3.5人日ほどかかりました。実測した寸法に合わせて断熱材をカットすることと、異形状に加工・切断するのに多くの時間を要しました。根太間隔が断熱材の規定寸法どおりであれば、1.5人日程度で完了したと思います。 また、今回は床下防湿シートの設置後に断熱材の設置を行ったため、比較的良好な作業環境が確保できました。思うに、床下土間の土が剥き出しの状態で作業するのは、著しく作業環境が悪くなるため、大変な困難が伴うと予想されます。防蟻剤も散布されているため、健康上も勧められません。以上